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2025年2月12日
至る所で高齢者として“優しい扱い”を受ける様になってからというもの、活字離れが慣れっこになってしまわない様に、世間から置いて行かれない様に、そして認知症予防の為にもと、努めて新聞を読む様にしている。読んでいるのは、1紙は旧来の紙媒体、もう1紙は電子媒体で配信される新聞の都合2紙だ。若い人からは、わざわざ契約しなくても無料で閲覧できるネット情報もあるからそれで十分ではないか、という意見も良く聞く。しかし、スマホなどで簡単に閲覧できるネット情報は、基本的に虚実混交だと思っていて、中には噂話程度の内容のものも多く含まれているのと、見たくもない広告が表示されるのも煩わしい。したがって、即時性が求められる天気予報と結果が明確なスポーツニュース以外は、ニュースソースがハッキリしている新聞を頼りにしている。
中でも、紙媒体の新聞が扱い易い上に見易くて、重宝している。ちょっと一瞥すれば一面全体を見渡すことができ、その中で目に付く大きな文字で書かれたタイトルを読むだけで、どんな事が書いてあるか大体想像できる便利さがあるからだ。いくつかある記事の中から気になったタイトルのものを読めば、時短にも繋がるという訳だ。読み返すことも容易だ。しかも、政治、経済、国際、社会、文化、スポーツ、趣味など、生活する上で必要な情報の殆どを網羅してくれている。中でも、毎日欠かさず目を通しているのが「おくやみ欄」だ。欄に掲載されるその多くは諸先輩方だが、これまでのお付き合いもあり、失礼があってはいけないと気に掛けている。お蔭で礼を失することもなく、助けられたことが何度かある。これなど紙媒体ならではの情報で、大変助かっている。
紙媒体ならではという点では、脳の刺激になるからと最近なるべく見るように心掛けているのが、読者から投稿される短歌や俳句、そして「発言」とタイトルが付けられた読者の意見だ。高校時代の同級生に文才豊かな友人がいて、その彼が随分前から俳句や短歌、或いは随筆などを頻繁に新聞に投稿している。そして、採用されたものを何年か分一冊の小冊子にまとめて、送ってくれている。自分で創作するほどの才は無いが、それに触発されて、色々な人の投稿作品に目を通すようになって来た。そして顔も知らぬ他人の表現の豊かさに驚き、拍手を送っている。その豊かな才能が羨ましくもある。加えて、詩歌ではないが、その発想力や考え方を楽しませてもらっているのが、「発言」である。
年齢も職業もバラバラの人達が自らの意見を述べるこの欄は、結構面白い。「そうだ、そうだ」と膝を打つものや、「えっ、そうかなぁ?」と疑問に思うものまで、多種多様な発言が掲載される。昨年の元日に発災した「令和6年能登半島地震」(以後、震災)以来、当然と言えば当然だが、地元紙だけに震災関連の発言が圧倒的に多い。それは自然の成り行きだ。復興が進み、被災地に平穏な日常が戻れば、震災関連の発言は減っていくものと思っているが、まだそんな気配さえ感じない。まだまだ辛い日々を送る人たちが多いのだ。
そんな中、2月8日付の「発言」欄に掲載されていたある方の思い・発想に、(実際は聞こえていないのに)能登の海に響く御陣乗太鼓の力強い音を聞いた。その日は、4名の方が意見を述べられていたが、77歳、80歳、82歳、92歳と、全員が後期高齢者だ。文章から被災さたと分かる方もいるのに、後ろ向きの文章を書いている人がいないのは、人生を達観している人達ばかりだからだろうか。何がそうさせるのか、どなたも前向きだ。中でも、「御陣乗太鼓の力強い音を聞いた」と表した、77歳の方の発言は強く胸を打たれた。そして、ハッとさせられた。
投稿された文章を読むと、珠洲にあった自宅は解体されるほどの被害を受け、不便な県外への避難所生活を余儀なくされていたらしい。その後、能登に戻ってから病気も発症したという。ところが、気弱になるどころか、被災した同じ地に家を再建したいというから凄い。77歳が、である。小生よりも年上で、辛い経験もされたのに、この前向きな思い。何と言うバイタリティだろう。頭が下がる。この「発言」を読んで感じるのは、「どっこい、これ位の事でへこたれるものか!」のど根性だ。そして良い意味の「諦めの悪さ」だ。根底にあるのは、“能登の女性の強さ”なのではないだろうか。そして、その強さを引き出しているのは、地元における絆の強さの様な気がしている。
我が身を振り返ると、後期高齢者の仲間に入り“さてこれから楽しむぞ”と意気込んでみたものの、「残された人生は後〇〇年、それまでに“あれ”と“これ”をやり、△年後にやり始めないと間に合わない」などと、やりたいことは頭に浮かぶのだが、得意な先送りばかりしていてなかなか最初の一歩が踏み出せないでいる。19世紀の哲学者ウィリアム・アーサー・ワードは「凡庸な教師はしゃべる 良い教師は説明する 優れた教師は示す 偉大な教師は心に火を点ける」と教えたそうだが、今回の77歳の方の「発言」に投稿された文章は、小生の心に火を点けてくれた有難い教師となった。それほどハッとさせられる内容だった。ありがとうございました。
【文責:知取気亭主人】
頑張りました!除雪で1万歩越え!
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