いさぼうネット
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話
 

『つもりちがい』

 

2025年3月5日

手元に小さなメモ帳が3冊ある。ビジネス手帳に付いてくるメモ帳だ。30代から50代にかけて、本や雑誌、或いは新聞やテレビなどから得た、ためになりそうな先人の言葉や教訓を、忘れない様にと書き留めて置いたものだ。以前は事ある毎によく読み返していたものだが、第一線を退いてからというもの、読み返すことも新たに書き加えることも極端に少なくなり、ここ数年は引き出しの中で眠ったままになっていることが多い。今回この四方山話を書くに当たり、久しぶりに引っ張り出してきた。

そして探し出したのは、人の勘違いを見事に言い当てた「つもりちがい十カ条」という面白い教訓だ。真偽のほどは定かでないが、ネット情報によれば、長野県飯田市の「元善光寺」という寺の住職が書いたものだと言われているらしい。その十カ条が印刷された、卓上カレンダーサイズの紙が会社のテーブルの上に置かれていた。恐らく、生命保険の営業が置いていったのだろう。昼食をとりながら、「上手いことを言うものだ!」と感心しながら読んだのを覚えている。それがこちらだ。

  • 第一条高いつもりで低いのが「教養」
  • 第二条低いつもりで高いのが「気位」
  • 第三条深いつもりで浅いのが「知恵」
  • 第四条浅いつもりで深いのが「欲望」
  • 第五条厚いつもりで薄いのが「人情」
  • 第六条薄いつもりで厚いのが「面皮」
  • 第七条強いつもりで弱いのが「根性」
  • 第八条弱いつもりで強いのが「自我」
  • 第九条多いつもりで少ないのが「分別」
  • 第十条少ないつもりで多いのが「無駄」

如何だろう。「確かにおっしゃる通り」と膝を叩いた方も多いだろう。これを教訓として自身を戒めて行動すれば、そんなに大きな失敗はしないだろう。ところが、この“つもりちがい”、一旦身に沁みついてしまうと、本人は中々気が付けない。そして、気が付かないまま失敗を繰り返すことになる。その失敗も自身だけの損失で済めばよいのだが、周りを巻き込んだり、相手を傷つけてしまったり、最悪の場合には取り返しのつかない事態に陥ったりすることもある。例えば、責任ある立場の人が“つもりちがい”ばかりしていると、その組織は壊滅的なダメージを被ることになる。そんな状況になり始めているのではないか、と心配している強大な組織がある。アメリカ合衆国政権だ。その指導者は、言わずと知れたトランプ大統領である。

2月28日、全世界が注目する中、トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が、ホワイトハウスで会談した。ウクライナに眠る鉱物資源の共同開発に関する合意がなされるはずだった。しかしながら、予想外の展開となって、西側諸国が期待した結果にはならず、残念ながら物別れに終わってしまった。当然、合意文書への署名は見送られることとなった。会談の様子はテレビカメラの前で行われ、世界中の人々は、前代未聞の両国首脳の激しい口論を目の当たりにすることになった。各国の指導者は言うに及ばず、世界の人々もさぞかし驚いたことだろう。「ドラマの撮影じゃないよな!」と、あっけに取られて観ていたに違いない。日本のメディアもこぞってこの会談の様子を報じていたが、お互いの国のトップがこれほど激しく言い争うのをこれまで見たことがない。お粗末なことに、まるで子供の口喧嘩のようだった。この様子を見て喜んでいたのは、ロシアの政権幹部たちだろう。

基本的に、「侵略して戦争を仕掛けたのはロシアで、ウクライナは自国の領土と国民を守ろうとしている被害国」という認識が、ロシアやその友好国以外の国や地域では常識として受け入れられている。日本でもそうだ。ところがトランプ大統領は、プーチン大統領から何を吹き込まれたのかは知らないが、偏った情報の下で全く逆の認識に立っている。それは、ウクライナ抜きでロシアとの停戦協議に臨んだことを見ても明らかだ。そして、そんな認識のままゼレンスキー大統領との首脳会談に臨んだのだろう。世界のリーダーたる国の船頭としては、心許ない限りである。強いリーダーを自認しているのだろうが、“つもりちがいも甚だしい”とは言い過ぎだろうか?

しかし、これから先、任期はまだ丸々4年近くある。ウクライナに限らず、一体どんな無理難題を言い始めるのか、世界の国々は戦々恐々としている。「常識」と呼ばれる器では計り知れないからだ。そこで、第十一条、十二条を考えてみた。如何だろう?

  • 第十一条有るつもりで無いのが「常識」
  • 第十二条無いつもりで有るのが「非常識」

【文責:知取気亭主人】


やっと蕾が膨らんで来た我が家のシンビジウム
やっと蕾が膨らんで来た我が家のシンビジウム

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.