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知取気亭主人の四方山話
 

『いつの時代も国民生活の状況調査は大事』

 

2025年7月9日

先々月だったか先月だったか、もうすっかり忘れてしまったが、見知らぬ女性が我が家を訪ねてきた。頸から何やら身分証明書らしきプレートをぶら下げている。ただ、選挙活動の運動員や宗教の勧誘員、もっと極端な例で言えば訪問販売員などと違って、押しの強さを殆ど感じさせない。どちらかと言えばその逆だ。申し訳なさそうに話すその説明を聞くと、その態度に合点がいった。聞けば、政府から依頼されて戸別訪問している「家計消費状況調査」の調査員だと言う。説明によると、どうやら我が家の付近一帯が調査対象地域のひとつとしてピックアップされたらしく、『ついては調査協力してもらえないか?』とのお願いをして、一軒一軒回っていると言う。ご苦労なことである。調査期間が1年という長丁場だというから、頼み辛いというのも態度に出るのだろう。

『調査協力はやぶさかではないが、インターネットでもよいから調査結果を見たり閲覧したりする事ができますか?』と訊くと、明確な答えが返ってこない。どうもあやふやだ。戸別訪問するに当たって指導や教育は受けている筈だが、小生のような質問は問答集には無かったらしい。ただ、渡された総務省統計局の『家計消費状況調査 調査世帯のみなさまへ』と題する冊子(以下、冊子)の裏表紙に印刷された、「調査の内容や結果などはインターネットで見ることができる」との一文が目に入り、調査員の答えを聞くまでもなく納得し、引き受けることにした。

ところがこの調査員、小生のことを“小うるさい爺さん”とでも思ったのか、1時間ほどしてまたやって来た。『先ほどの質問について本部に確認したところ、閲覧できるとのことでしたので、お知らせに上がりました』と言う。丁寧に再来訪をねぎらい、調査協力を約束して帰ってもらった。それにしても丁寧な物言い、態度の調査員であった。帰り際に、『次は7月の8日に、調査票の回収に上がります』と言い残していった。その日以来これまでずっと放っておいたのだが、いよいよその回収日が近づいて来た。「そろそろ準備しておかねばなるまい!」と、6日の日曜日、やっとのことで調査資料に目を通した。

冊子によると、「調査の目的」として次のように書かれている。
「国民の消費動向を的確に把握するために、世帯における購入頻度の少ない高額商品・サービスへの支出を調査し、更に、今後の動向を左右するICT(情報通信技術)関連の商品。サービスへの支出やインターネットを利用した購入状況などを調査しています。(原文のまま)」

つまり、意外なことに、今参議院選挙の争点のひとつにもなっているコメなど食料品については、調査対象外ということである。どうやら、日々購入する食料品などの生活必需品は、マーケットなどの販売店から販売情報が入るからなのか、対象外となっている。そして調査の主眼がインターネットを介しての購入に置かれていることも分かった。これならネット通販サイトを一箇所に決めているため、記録も取り出しやすく記入も楽ということもあって、“そんなものなのかな”と変に納得した次第である。

また、「調査の対象と選定方法」という項目には、我が家周辺の地域が選ばれた、その選定方法が書かれている。それによると、調査対象となる母集団(我が国の所帯数)は約5570万世帯(令和2年国勢調査)あって、その一部である3万世帯を統計的な方法によって抽出して調査し、その調査結果から全世帯について推定する方法を取るのだという。となると、その3万世帯に我が家が選ばれたことになる。これが、宝くじだったなら良いのだが…。

とそんな破天荒な夢物語はさて置いて、その3万世帯の抽出方法だが、まず@全国の市区町村の中を約50世帯ごとの地域に区切る、次にA区切った中から全国で3,000の調査地域を選ぶ。そして、B選ばれた3,000の調査地域それぞれに居住している全ての世帯(約50世帯)の中から10世帯を選ぶのだという(合計;3000×10=3万世帯)。最終段階となる約50世帯から10世帯を選ぶ方法について、冊子には「一定の統計上の抽出方法に基づいて…」と書かれているが、我が家のお隣さんが断った様に、当然調査協力しない世帯も出てくる訳で、実際は統計上の抽出方法に基づいている訳ではなく、50世帯を手当たり次第に回って、インターネットを利用しそうな年齢の世帯の中で承諾してくれた世帯にお願いしているだけなのではないか、と思えてしまう。まだ確認はしていないが、恐らくそうだと思う。

まあそれはともかくとして、初めてこうした調査に協力することになった。1年間という長丁場ではあるが、全国約5570万世帯として集計したらどんな調査結果になるのか、とても興味がある。皆さんの中でも興味のある方は、調査結果が公表される『総務省統計局ホームページ<家計消費状況調査 調査結果>』(https://www.stat.go.jp/data/joukyou/12.html)を是非ご覧になっていただきたい。例えば、スマートフォン・携帯電話などの通信、通話資料などが調査対象になっているので、自分たちの世帯との比較をすることで、何かが見えるかもしれない。大きくは次の政策に繋げるための基礎資料だと思うが、世の中の動向を見誤らない為にも、また国民生活の実態を知るためにも、いつの時代もこうした国民生活の状況調査は大事である。きっと、この調査も次なる政策に生かされるだろう。そう信じて、1年間忘れずに調査協力するぞ!


【文責:知取気亭主人】


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