いさぼうネット
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話

『ITの洪水に溺れそう』

2026年4月8日

日本時間の4月2日、ケネディ宇宙センターから、アメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙船オリオンが打ち上げられた。「アルテミス2計画」だ。4人の宇宙飛行士が乗り込み、54年ぶりに月への周回飛行に飛び立った。報道によれば、人類として初めて月の裏側を目視する、という画期的なミッションをこなすことになっている。その後、予定通りいけば、4月11日(日本時間)に帰還する。人類としてこれまでで最長距離の宇宙飛行になるらしい。ぜひこの夢のあるミッションを成功させて、どす黒い雲が重く低く垂れこめ始めている今の地球に、一時でも歓喜を届けてほしいものである。

と大きな期待を抱いて打ち上げ成功の報を聞いたのだが、打ち上げて間もなく、思いがけない故障が報じられて、ビックリさせられた。何とトイレの故障だ。しかも打ち上げから僅か1時間後だという。たかがトイレの故障とは言え、何があっても全てをその船だけで完結しなければいけない宇宙船にとっては、笑い事では済まされない緊急事態だ。関係者に緊張が走ったに違いない。ただ、想定される緊急事態に対応する訓練を十分積んだ宇宙飛行士と、地上管制室との見事な連携もあって、数時間後には無事復旧したと報じられている。さすがである。リスク管理が素晴らしい。

それに比べると小生、つい先日、想定外の事態への対応力の無さ、知識の低さを痛感させられて、落ち込んでいる。宇宙探査の世界最先端を行くNASA と比べること自体おこがましいが、ある機器への対応で、思うに任せず人の手を煩わせてしまったことを、くだんのトイレ故障の報道を聞いて思い出したのだ。己の対応力を過信して「それくらいは、何とかなる」と高を括っていただけに、何も出来なかった自分が何とも腹立たしい。

ある機器とは、お馴染みのスマートフォン(以下、スマホ)だ。最先端技術の塊である宇宙船と比べるべくもないが、進化スピードの凄まじいスマホも、庶民にとっては最先端技術の塊だ。とりわけ、電子媒体よりも紙媒体の方を好む小生にとっては、意のままに操るには結構ハードルが高い兵(つわもの)なのだ。結果、十分に使いこなせないでいる。何とか遅れまい、乗り遅れまいとしているのだが、処理能力の低下は如何ともし難く、抗っても抗っても追い付けないでいるのが現状だ。

とは言え、IT技術のおかげで、凄まじい量の情報が、我々一般庶民の手元にいとも簡単に届くようになった。携帯電話が出始めた頃には、まさかこれほどまでに進化するとは予想もできなかった。本当に便利になった。恩恵も大いに被っている。が、今の自分は、まるでITという洪水の中を溺れぬように必死で泳いでいるアリではないか、と思えてしまう。一応ITを代表するパソコンもスマホも何とか使ってはいるのだが、買い替えるたびに機能アップされていて、戸惑うことが増えてきた。それにつれ、若い人頼りの状態となっている。先日も、スマホを買い替えた際、おんぶに抱っこまでしてもらった。

スマホの機種変更の際にはデータを移さなければいけないのだが、ここでつまずいた。若い店員が、「この1冊でラクラク設定!」と書かれた『設定ガイドブック』を見せながら、『これを見ながらやれば簡単ですが、ご自分でやられますか?』と訊いてきた。見れば、イラスト入りで分かりやすく書かれている(ように見えた)。それを見た吾輩、『多分大丈夫、やってみる』と見栄を切ってしまった。

ところが、である。いざやってみると、あるタイミングで、ガイドブックには書かれていない表示が繰り返し出てくる。「さて、どうしたものか?」と思い悩んだ末に、「実行」のボタンを押してしまった。途端にフリーズだ。それからどう操作しても、フリーズ状態から抜け出せない。仕方なく、次の日、店に助けを求めた。若い定員は、苦戦した様子を見せながらも、『フリーズ状態は解除し、アップデートしておきましたから、これで大丈夫だと思います』と言う。家に持ち帰り、その有難い言葉を励みに、改めてデータ移行にチャレンジした。

再び、ところが、である。『データ移行はどれ位時間が掛かるか分からない』との店員の話を聞いていたので、就寝前に新旧のスマホを並べてスタートさせた。翌朝、新しいスマホを操作すると、「お近くのスマホが認識できません…」との表示がされる。その表示に従い次の操作をした途端、「工場出荷時の状態に戻します…」との元の木阿弥のような文言が表示される。また、お手上げだ。

次の日、再び店に助けを求めた。スマホを預け待っていると、『工場出荷時の状態に戻したが、その後の対応はここではできない』とつれないことを言う。仕方なく、同じショッピングモールにある違う店に飛び込んだ。見るからに頼りになりそうな体躯の店員が、事の顛末を訊きながら、預けたスマホを操作する。するとどうだ、懸念していた問題はたちまちに解決されたではないか。続けて、『有料ですが、このままデータ移行続けますか?』と訊いてきた。勿論、『お願いします!』の即答だ。

約1時間後、本来の機能が使える状態になった新しいスマホを受け取った。やっと、すったもんだの2日間とおさらばできた。それにしても、我がお粗末な対応力、NASAとはえらい違いである。これでは、ITの洪水に溺れるも仕方がないかなぁ?


【文責:知取気亭主人】

イカリソウ

イカリソウ


Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.