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2026年4月22日
4月17日、気象庁は、最高気温が40℃を超えた日を「酷暑日」とする、と発表した。国民から広くアンケートを実施した結果、この名前の得票が一番多かったという。また、採用はされなかったが、これに続いて「超猛暑日」や「極暑日」などの応募も多かったと報じられている。さすがと言おうか、どれも聞くだけで暑苦しくなってくる名前だ。ただ、折角多くの人達が参加して命名した名前ではあるものの、アンケートに参加した本人も含め、殆どの人は、「できればそんな日は来ないように!」と願っているに違いない。ところが、小生も酷暑日推し派だったこともあって、「この名前に決定した」と報じられただけで、あの蒸しかえるような、そして肌が痛くなるような暑さが蘇ってきてしまう。決まったばかりだというのに、嫌な響きだ。
この「酷暑日」、嫌な響きである上に、実態としても体にとって悪影響こそあれ何のご利益もない気象現象を指していて、人口減少の一因にもなりかねない厄介者でもある。そしてさらに厄介なことに、これから増加の一途をたどるのもほぼ間違いないときている。加えて、こんな日が増えるに伴って、屋外活動の制限はますます強まるばかりだ。子供たちの屋外での遊び、屋外スポーツ、農作業などの屋外作業、体力維持のための高齢者の散歩やウォーキングなどでさえそうなるだろう。制限が掛かりそうなものを数えたらきりがない。そんなことを考えると、夏の暑さと汗をかくことが大好きな小生でも、「酷暑日」は勿論、「猛暑日」も、「これ以上勘弁してくれよ!」と願うばかりだ。
では実際、小生が子供の頃(50〜70年ほど前)にはめったに超えなかったと記憶している30℃以上の日がどれほどの観測地点で観測されたのか、気象庁が公開しているデータを基に、下のような表を作ってみた。基になったデータは、気象庁が公開している『2025年の5〜10月の真夏日などの地点数(昨日まで)』(※1)だ。なお、表中の猛暑日地点数には酷暑日を含み、また真夏日地点数には猛暑日も酷暑日も含む。要するに、昨年の5〜10月の間に30℃以上の暑さになったのは、延べ60,725地点ということになる。
| 呼び方 |
日最高気温 |
制定年など |
2025年の延べ観測地点数 (※1) |
| ? |
45℃以上 |
204〇年には制定か? |
− |
| 酷暑日 |
40℃以上 |
2026年 |
25 |
| 猛暑日 |
35℃以上 |
2007年 |
10,411 |
| 真夏日 |
30℃以上 |
1967年頃から使用 |
60,725 |
| 夏 日 |
25℃以上 |
古くから使用されていた |
多すぎて無視 |
※1 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/summer.php?month=5
集計地点は914地点(2025年4月1日現在)だというから、単純平均すれば、日本の全域が5〜10月の間に66日強は真夏日以上だったという勘定になる。5〜10月というのは半年、日数にして184日だ。すると、北海道から沖縄まで全ての地点で、少なくても3日に1日は30℃以上を記録していたことになる。また、今回定めた酷暑日も、延べ25地点で観測されている(https://www.data.jma.go.jp/stats/stat/202515/amd_mxtem_ov40_202515.html)。暑かった筈だ。
こうした暑い日の増加傾向は、気象庁の公開データ『大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化』(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html)の中に掲載されている『[全国13地点平均]日最高気温35度以上(猛暑日)の年間日数』のグラフを見てみると、猛暑日以上の日数が、1990年代初頭から明らかに増え始め、2020年代に入った途端更に急増しているのが見て取れる。同グラフの「注意事項・補足」には、「全国の13地点は網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木などで、都市化の影響が比較的小さく、長期間の観測が行われている地点から、地域的に偏りなく選出している」と説明されていて、高温化が全国的な傾向であることを裏付けている。こうした明らかなデータを見ると、すぐそこに迫っているゴールデンウィーク明けからの長い半年が恐怖だ。
またそのデータを素直に読み解けば、酷暑日が観測される地点が今後うなぎ登りに増えていくことは、想定の範囲内だと言える。だとすれば、何年後かには45℃越えという恐ろしい日がやってくるのも、最早絵空事ではないような気がする。そんな日が本当にやって来るのか、またやって来たとしてもそれが何年後かは分からない。しかし、猛暑日制定から僅か19年後には今回の酷暑日を設けなければいけない事態になったことを考えると、考えたくもないが、15年後、2040年代に入る辺りには、新たな命名をしなければならないのではないか、と案じてしまう。
またそうなった場合、次はどんな名前にするのだろう、はたまたどんな名前が適しているのだろう、と野次馬根性が頭をもたげ、この先が気になってしまう。小生の悪い癖だ。でも、さしずめ「灼熱日」なんていうのはどうだろう?
【文責:知取気亭主人】
シャクナゲ
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