|
2026年5月20日
我々の町会は、毎週月曜日と木曜日が燃えるゴミの日だ。基本的に週2回ある。野菜の屑だとか、紙切れとか、老夫婦だけの生活で、しかも結構分別を心掛けていても、それなりに出る。それでも、大体は10〜20リットルの袋(金沢市指定の有料袋)で事足りている。ところが、月に2回しかないプラスチックゴミ(以下、プラゴミ)はそういう訳にはいかない。プラゴミ自体が結構かさばることもあって、結果45リットルの大きな袋(それぞれ個人が用意する袋)でないと入りきらない場合が多い。時には、2袋にもなることもある。そんな時、「よくもまあこんなに使ったものだ!」とつくづく思う。
最近ちょこちょこつまむ様になってきたお菓子の、個包装やそれらを内包する商品の袋は言うに及ばず、コンビニやマーケットで売られている総菜や弁当などの容器は、ほぼ全て石油由来だ(以下、プラ)。道の駅や農協などで生産者が直接販売している所を除けば、頑張ればばら売りできそうな野菜や果物でもご丁寧にプラの袋や容器に入っている。見た目がきれいで衛生的、しかも客が手に取っても傷みにくいのかもしれない。確かに、そんな利点があるのだろう。しかし、昭和生まれの小生にとっては、欲しいだけ新聞紙にくるんで売ってくれていた昔の八百屋や魚屋が懐かしい。
もう随分前から指摘されている様に、日本では何事につけても過包装の感が否めない。テレビの旅番組などで映し出される諸外国のお店を見ると、そうした思いは一層強くなる。日本では、定期購読している訳でもないのに送られてくる雑誌や販促用の冊子でさえ、ご丁寧にもプラの袋に入っている。汚れたり傷んだりしない様にとの配慮なのだろうが、大切にとっておく物でもないから、もっと簡単な方法で送れないものかと受け取るたびに思う。第一、分別するのも手間だ。
そんな極々身近なプラゴミに関連して、その原料である「ナフサ」が俄かに脚光を集め、世間を騒がしている。お騒がせなトランプ米国大統領が惹き起こしたイランとの戦争で、主な輸入先である中東からナフサが入ってこなくなったからだ。政府は「代替輸入先を確保しているから不足は生じていない」と強気な発表をしているが、企業の危機感は半端なく、医療用の手袋や塗料の薄め液として使われるシンナーなど、市場では早くも品不足が出始めている製品もあると報じられている。お菓子の袋のパッケージを白黒に変えた、なんて企業も現れた。また、疑り深い小生などは便乗値上げではないのかと思ってしまうが、プラを包装や容器として使っている食品などでは、電気代や輸送コストの上昇と相まって、値上げ圧力が上昇し始めているらしい。納豆や鶏肉など身近な食品も値上がり始めているという。こんな状況がいつまで続くのか、日本ばかりでなく世界中が戦々恐々としている。
それにしても、ナフサ由来の商品が身の回りにいかに多いか、言うなればいかにナフサにお世話になっているか、今回の騒動で初めて知り驚いている。ナフサは原油を加熱・蒸留して作られるものだ。したがって、石油を極僅かしか産出しない我が国では、その殆どを輸入に頼らざるを得ないのが実情だ。そのため、プラゴミを科学的に分解し、ナフサなど元の原料に戻す、ケミカルリサイクルと呼ばれる取り組みが注目されている。その取り組みでは、我々消費者のゴミの分別も一役買うことになる。したがって、我々消費者も今のこの状況を自分事として捉えしっかりゴミの分別をする、そんな心掛けが必要だ。また、リサイクルとは別のアプローチも以前から行われている。植物などからプラスチックを作る試みだ。製造コストの課題はあるものの、再び注目されているらしい。
こうした大掛かりなチャレンジは、国や企業に大いにやってもらうとして、我々消費者も少しでもナフサ消費を抑える方法があるのではないか、と考えてみた。思いついたのが、先人の知恵を利用することだ。例えば、昔はおにぎりなど、竹の皮やハラン(古名はバラン)に包んでいたし、今でも笹の葉で包んで売られている押し寿司がある。富山の鱒寿司や金沢にもある笹の葉寿司など、笹の葉は今でも現役として立派に活躍している。朴葉味噌(ほおばみそ)なども、そうした植物の葉を、包装用としても容器としても使っていた、先人の知恵だ。紙のストローを使う店も、暫く前から出始めている。良いことだ。このように代替できるものは自然由来の材料に替えていく、そのチャレンジが減ナフサの一歩になるのではないかと思っている。
また、ばら売りできるものはできる限りばら売りし、野菜などには紙袋を持参する。魚や肉などには、帰宅して直ぐに冷蔵庫に入れられるように店指定のタッパを持参する。「面倒くさい!」と奥様方から叱られそうだが、如何だろう。こうした方法が実現できれば、必要な分だけ買うことができ、食品ロスも無くなる筈だ。何事もやってみなければ始まらない。ナフサ狂騒曲が大音量で流れている今だからこそ、やってみる価値はあると思うのだが…。
【文責:知取気亭主人】
フジ(フジヅルはいろいろなことに使われていた)
|