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計測の種類と方法
簡単な計測計器を使った観測検知・監視システムによる観測
 
簡単な観測

 ここに挙げるものは計測機器を使わずに、どの現場にでもある材料で設置でき、日常点検の中で誰でも簡単に変位を確認できる方法である。
モルタルパット  クラックを挟んでモルタルを盛り、モルタルにクラックが発生することにより、観測クラックの進展状況を見やすくする方法
見通し線  クラックを挟んで両側に鋲・釘や杭など設けその離間距離を測定する方法
ぬき板法  クラックを挟んで丁はりを設置するよう杭を設置し、ぬき板に鋸目をいれたり、ラップさせておいてクラック状況を確認する。
エアートレーサー法

 今までの調査は、目視による外部観察やボーリング調査が多く岩盤斜面内部の亀裂の発達状況を評価することが困難であった。また、物理探査手法を用いて岩盤内部の亀裂を測定する方法もあるが、岩盤斜面に測定機器を設置するなど危険が伴い必要な精度を得ることも困難であった。
 そこで、3,4年前から土木研究所で研究がされているエアートレーサーによる 調査が考案された。
 調査方法は、まず「トレーサー(発煙筒の煙など)を混合した空気」を岩盤表面やボーリング孔内の亀裂に圧入する。圧入された空気は岩盤内の亀裂を伝わって、他の亀裂、またはボーリング孔から流出してくる。その時の流出した箇所と移動速度から、亀裂の連続性、開口幅、ゆるんだ岩盤の形状を推定する方法である。

(参考:土木技術資料平成11年10月号)

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計器を使った観測

計器を使った観測システムとして代表的な方法を次表に示す。 

断線式 落石防護工等にビニール被覆の金属線等を張り、電気を通す。落石の衝撃によりビニール被線(金属線)等の断線を電気的に感知して落石を感知するもの。
振動式 落石防止網等に落石センサーを取付ける。防護網に落石が当たると震動がセンサーに伝わり、落石があったことを検知するシステム。
受圧式 圧力計を斜面上に設置する。落石が圧力計上を通過すると、落石の衝撃を感知して落石を検知する
伸縮計・傾斜計・
亀裂変位計等の変位計
計測器として最もポピュラーなもので、岩盤亀裂や、それが予想される位置に設置し、無線やケーブルなどを使ってデータロガーで変位量を検知する方法。
光波測距儀 落石が発生しそうな岩盤等に反射プリズムを多数設置(観測点)し、不動と思われる所にも測点( 不動点)を設ける。これにより、不動点と観測点との距離や角度の変化を測定し、三次元変化を把握する。また、最近では自動追尾機能を持ったトータルステーションが発達してきたこともあり 、24時間体制で観測することが可能となった。

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検知・監視システムによる観測

画像検知システム光ファイバを利用した計測AE計測タフセンサ式落石・崩壊検知システム

(1)画像検知システム(モニタリング)
  CCDカメラ等で 落石の危険がある石や岩塊を撮影し、その画像データを毎回観測開始時と比較することにより、異常を検知するシステム。特徴としては、危険地域に立ち入ることなく遠方より自動監視ができる。
<画像処理(モニタリング)で監視した例>


(写真提供:(株)クリエート青木)


(2)光ファイバを利用した計測
  光ファイバセンサの原理は、光ファイバセンサに歪があると、光パルスを入射した時にその部分から散乱光や反射光が戻ってくる性質にある。また、散乱光や反射光の周波数・強度は光ファイバセンサに加わる歪み量の変化に比例するので、その変化および戻ってくる時間 を観測することにより歪みの大きさ・位置を特定できる。
<光ファイバセンサを利用した計測方法の例>

 光ファイバーに曲がり(ベンディング)があると、ファイバー内部を通過する光がそこで外部に漏れ、通過する光線の強度が減少する。この性質を利用してひずみ量を測定する。


(写真提供:NTTインフラネット(株) 北陸支店)


(3)AE(アコースティックエミッション)計測
   我々が破壊音として聞くことができる音は、物質が最終的な破壊に至り目に見える程度に変位が生じる場合に起こる音であり、実際には最終的な破壊に至る以前から物質の内部では少しずつ破壊が進んでいる。
 これに伴って「ひずみエネルギー」が解放され微弱な弾性波(AE波)が放出されている。
 このような一連の破壊現象において「ひずみエネルギー」の一部が弾性波となって放出される現象をAE(アコースティックエミッション)現象と いう。
 AE計測は、岩盤や地盤に挿入された測定器でこの現象をキャッチし最終的な破壊に至る前に通行止めなどの対策を取るのに使用されている。
 
(4)タフセンサ式落石・崩壊検知システム
  ”タフセンサ”は同軸構造の電線を使用しており、下記の特徴がある。
 
(1). 障害発生位置を10mの精度で特定できる。
(単なる断線検出方式では、位置を特定できない。)
(2). 障害発生とセンサ故障を区別できるアルゴリズムにより、警報が信頼できる。
(電線や光ファイバの断線検知方式では、検知したい障害箇所以外の不良でも警報を発生する。)
(3). 電線なので、災害復旧時のセンサ修理・接続が簡単。
(光ファイバ方式では、降雨時に屋外でセンサ接続は難しい。)
(4). センサの構造上、どの位置に外力がかかっても変形し、障害を検知できる。
また、検出したくない引き出し線には、外力に強く、柔軟な電線を使用しており、信頼性を高めている。


(写真提供:坂田電機株式会社)

   本システムは、鉄道や国道の落石防護策に取り付けて落石を検出したり、海沿いの線路の洗堀を監視している。
 特に列車を停止させることを前提として開発した経緯があるため、高信頼性,誤警報を出さない,
障害時に確実に警報を出せることが特徴である。

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今、載せている計測方法は、ほんの一部に過ぎないと思います。
これをご覧のみなさんで、「こんな計測方法があるよ!」という方、是非、「いさぼうネット事務局」までご意見下さい。宜しく御願いします。

mail:info@isabou.net

 

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