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第2話 くさび型崩壊の解析

 

従来のくさび破壊の解析

 岩盤斜面におけるクサビ破壊。規模の違いはありますが、亀裂質の岩盤斜面では頻繁に発生する現象です。

 従来の解析ではクサビをなす2つの節理面の交線を2次元的にモデル化して計算していました(右図の赤のライン)。

 しかし実際のすべり面、抵抗面は右図での青ラインであり、逆算式の強度定数を使うことを考慮したとしても現実と異なったモデルで計算しています。

 ROCSCIENCE社の専用ソフト 「Swedge」 は2つの交差する不連続面、スロープ面とオプションの引張亀裂によって囲まれたクサビ岩塊の安定性を評価することができます。

 

 

くさび破壊を解析する


 まず Swedge で使用されている計算理論を簡単に説明します。 Swedge では以下の一連の手順で解析を行います。

1)ブロック理論(Goodman and Shi, 1985)を使用してくさびの形状を決定します。この際オプションの引張亀裂も分析に含めることができます。一般的に、形成されるクサビ岩塊は、2つの節理と、対象斜面、上位斜面で囲まれた四面体です。引張亀裂が分析に含まれている場合、引張亀裂面で切られた五面体になります。

2)くさびに作用する個々の力のすべてを決定し、滑動、抵抗ベクトルを計算します。
3)くさびのスライド方向を決定する。
4)各ウェッジの平面で、通常の力を決定する。
5)ジョイントのせん断強度に起因する抵抗力を計算。
6)安全係数を計算する。
 

 

くさび破壊を解析する

■Swedgeを起動する

 Swedgeは2次元岩斜面クサビ破壊に関する安定解析プログラムですが、ユーザが定義した斜面を簡単に確認できるように3次元立体viewを提供します。

 本プログラムは、2次元解析プログラムであり、斜面は定義した断面が奥行的には無限に延長されていると仮定します。斜面安定解析は斜面定義断面について、単位幅当りで行います。

■条件設定

 先ずプロジェクト設定を行います。プロジェクト設定には、「General タブ」、「Sampling タブ」、「Random Numbersタブ」、「Project Summaryタブ」があります。
 General タブでは解析タイプの選択ができ以下の使い分けができます。

●Deterministic ・・・ 強度定数など基本の定数が全てわかっている場合に安全率を求めます。
●Probabilistic ・・・ 確率的方法を用います。一部の定数などが不明で、入力値に関して正規分布などの理論に基づき、安全率の範囲を求めることができます。

 入力データは「Slope(斜面形状)タブ」、「Joint(節理)タブ」、「Forces(荷重及び外力)タブ」の3つの項目で構成されています。
Slopeタブでは斜面の傾斜、傾斜方向、高さ、長さと上位斜面(upper face)の傾斜、傾斜方向などを入力します。また引張亀裂(Tension Crack)がある場合も同じく、傾斜、傾斜方向などの値を入力します。
 Swedgeはクサビ破壊形状を考慮して安全率を計算するプログラムです。
■ 入力モデルの確認

 立体 viewではモデルの回転、拡大、滑動の動き、スケール軸などの描画が自由です。
 

 

■結果の出力

 Stereonet Viewは斜面の方向、upper faceの方向、2つの主な節理の方向などを利用して、平射投影網に極点と大円が描かれます。また解析結果の出力、解析図の保存が可能です。

 どうですか。非常にビジュアルでわかりやすい解析ができるのではないでしょうか。

 
 

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