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 「軽量盛土の最新情報」〜第52回地盤工学研究発表会に参加して〜
 
平成29年7月27日

 第52回地盤工学研究発表会(2017年7月12日〜15日(愛知県))の研究発表は、全セッション数が139に上り、テーマとしては「地盤と構造物」(29%)、「地盤防災」(22%)、「地盤材料」(19%)についてセッション数が多く、地盤そのものと構造物(杭基礎、堤防、トンネルetc)の関係、そして地震や液状化といったキーワードが多く見られました。

 今回、「地盤材料」について「改良土・軽量土」を題材とした全6セッション(43発表)に参加した中で、地盤改良についてのトピックスが多く、身近にある材料の稲わらを用いた研究や、あまりなじみのなかった微生物を用いた研究など多岐にわたる発表が行われていました。
 また、軽量土をテーマとしたトピックスではEPS工法に用いる緊結金具についての発表がありました。 まだ基礎試験の段階との事ですが、熊本地震の発生を背景に耐震性の向上を目的とした新しい緊結金具の開発を行っているとの事でした。

 また、技術展示では73ブースの出展が有り、その中でも愛知県陶器瓦工業組合の展示物に目を引かれました。 そこで、今年の3月に国土交通省中部地方整備局で技術資料が取りまとめられたばかりの“瓦のリサイクル材を用いた軽量盛土材”についてご紹介します。


写真-1 技術展示ブースの様子

 愛知県陶器瓦工業組合では、三州瓦をリサイクルした軽量盛土材を取扱っています。
 愛知県西三河地方で生産される三州瓦は、全国出荷量の約7割を占めており、その生産過程で5%程度の規格外瓦が発生してしまいます。 この規格外瓦は年間でおおよそ6万トンにものぼり、この規格外瓦を有効活用する方法としては、破砕機で粉砕した破砕瓦を土木用資材として利用しています。
 これまでは、主に透水材や路盤材、舗装材としてグラウンドや道路などに利用されています。


写真-2 破砕瓦


 この破砕瓦は愛知県のリサイクル資材評価制度「あいくる」に登録されています。 また、国土交通省中部地方整備局において「破砕瓦の利用活用技術資料」を取りまとめて公開されています。

 この破砕瓦には軽量盛土材として以下のような特徴が有ります。
項目 内容 摘要
軽量性 単位体積重量=14.66(kN/m3) 多孔質である事から軽量
安定性 粘土を1130℃の高温で焼成しているため化学的に安定した構造である 環境省の定める各種試験をクリアし、安全・安心な組成
安息角=41(°)
内部摩擦角=44.6(°)
粒子が角ばっており噛合せがよい
沈下しにくい
環境への適応性 各種環境基準値を満足している 環境への影響は無い
透水性 概ね1×10-4(m/s) 排水性が良い

写真-3 粘土瓦の内部構造 写真-3 破砕瓦の安息角

 破砕瓦は単位体積重量が軽いだけではなく、内部摩擦角も大きい材料です。 このことから土圧が小さくなり、盛土材として有利になります。 今年の3月に国土交通省中部地方整備局において「破砕瓦の利用活用技術資料」が取りまとめられたばかりであり、これからの動向が注目されるリサイクル材料です。

[参考リンク]
・第52回 地盤工学研究発表会
http://www.knt.co.jp/ec/2017/52jiban/

・「瓦Web」(愛知県陶器瓦工業組合)
http://www.kawara.gr.jp/

・国土交通省 中部地方整備局 港湾空港部
http://www.pa.cbr.mlit.go.jp/

・あいくる〜愛知県リサイクル資材評価制度〜
http://www.pref.aichi.jp/site/aicle/

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