いさぼうネット／「特集」　緑化

■緑化とは

　「緑化」という言葉を土木に携わる私達はとても安易に使っています。でも「緑化」という言葉の意味を自分では本当に理解しているのかと考えてみました。
　仲間の土木屋さんに「緑化とは？」と訊ねると、「…緑にすること？」や「…植樹？造園？」と言う答が返ってきました。改めて「緑化とは？」と考えるとなかなか難しく、即座に答えを用意できる人は少ないでしょう。
　そこでまず身近な文献を調べてみました。

広辞苑(岩波書店)	植樹によって国土を青々と美しくすること
国語辞典(岩波書店)	市街地などに草木を植えて緑を増やすこと
生態学辞典(築地書館)	植物の生育していない所に樹木や草木を植えて緑にすること
砂漠を緑に(岩波新書)　～遠山柾雄著～	砂漠緑化とは、植物を植え、管理し、生育させて、緑を増やすこと
英・英辞典（RANDOMHOUSECOLLEGE　THE SAURUS）	緑化は英語で「tree-planting」ですが、専門用語のためか英英辞典には載っていないため、「plant」について調べてみました。 Etymology：Middle English, from Old English plantian, from Late Latin plantare to plant, fix in place, from Latin, to plant, from planta plant 語源：古代英語、中世英語のplantianから来ており、近代ラテン語の植える、ある場所に固定するという意味のplantareや、ラテン語の植えるという意味のplantaから来ている。　西欧人にとっての「緑化」とは、どうも植林をイメージしているようです。

　このように、緑化という言葉は、植樹(樹木)もしくは草木を植えることのみを対象としていたり、更には育成にまで意味を持たせているなど様々なのです。ただし、いずれの解釈にも言えることは、「緑がないところや乏しいところに草や木を生やし、緑を増やすこと」は共通しているようです。