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■緑化の現状

 

 かつての緑化工は、単に植生が生えれば良いというスタイルでした。ところが近年『外来種はダメ』とか『間伐材を使え』といった声をよく耳にします。また調査したところ、特に最近はNETISが重要視されつつあることも分かってきました。そこでいさぼうでは、新工法、新技術、NETISを踏まえた上で、緑化工法の現状についてまとめてみました。

 国土交通省では、『公共工事の品質の確保とあわせて、技術力に優れた企業が伸びる環境づくり、公共事業に関連した民間分野の新技術開発の促進を図る』といった取り組みが為されており、その一環としてNETISがあります。今後工法採用にあたってはNETISに登録してあることが必要条件になってくるはずです。
 また、平成12年に建設リサイクル法が公布されて以来、限りある資源の有効利用による環境保全が求められています。NETISもその第一のテーマに挙げられているのが、やはり建設廃棄物(特に木質系廃材)のリサイクル技術です。
 建設副産物実態調査によると、アスファルト・コンクリート塊の再資源化率が目標値95%を超えるのに対し、木質系廃材では約40%と進んでいないことが明らかになっています。その点で特に緑化工等に期待がかかっています。

 このような背景の中で、最近の緑化工の世界では、これまで廃棄されてきたアスファルト・コンクリート塊、浄水ケーキは勿論のこと、伐採木や間伐材などをチップ化して法面緑化用の生育基盤材の一部として有効利用したエコ製品が続々と開発されています。そして、その内の幾つかはNETISに登録されています。

  また、緑化工法の現状について調べていく過程で痛切に感じたのが、緑化工の要求度が今後増えていくということです。
のり面は、土木工事を行えば必ずと言って良い程、出現してくるものです。さらに、昭和時代に施工されてきたモルタル吹付工も風化や景観上の問題から緑化工法で修復していく兆しがあります。そして、国土交通省の自然環境についての 取り組みや環境省の格上げ等を考えれば、公共事業が削減されてはいるものの、緑化工に携わる業界にとっては明るい話ではないでしょうか。

 

■すごいこの事業費

 

 緑化工の工事費は意外と大きい!そのことをご存知でしたか?
たとえば、道路改良工事における工種金額のシェアはどのようになっているのでしょうか?

国土交通省 国土技術政策総合研究所の資料(http://www.nilim.go.jp/lab/pbg/)によると

1. 土砂掘削
2. 作業残土処理
3. コンクリート
4. 軟岩掘削
5. 型枠
6. 厚層基材吹付
7. 採取土路体(路床)
8. 現場吹付法枠
9. 購入土路体
10. 法面整形
11. ・・・   (平成10年度 建設省直轄工事 1,693サンプルデータを分析)

となっています。
 前出の資料によると主要な17工種で全体金額の70%、39工種で全体金額の90%を占めるわけですが、その内訳を見てみると、道路改良工事において法面工事の占める工種が、「6.厚層基材吹付」「8.現場吹付法枠」「10.法面整形」と3工種あり、これらを足すと、非常に大きなシェアを占めていることがわかります。

 次に、全国特定法面保護協会の資料(下表参照)によると、平成13年度における法面に関する工事費は約2,800億円で、

1位 法枠工(964億円)
2位 緑化工(646億円)
3位 アンカー工    

となっています。
 この1位の法枠工と2位の緑化工を足せば、1,610億円となり、全体金額の57.3%を占め、全体金額の約6割が緑化工として施工されていることがわかります。

 以上からわかるように、法面工事においても緑化工(緑化基礎工としての法枠+緑化工)は、高いシェアを占めており、いい換えれば、これは社会的な要求で、さらに今後も環境に対する要求は高まると考えられます。

< 法面保護工・工種別推移表 ((社)全国法面保護協会調査) >

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