緑化の必要性
先日、NHKTVで「海面上昇で沈みつつあるツバルのレポート」が放映されていました。「ツバル」は海水面の上昇で水没の危機にたたされています。そしてその原因は日常生活から排出される温暖化ガス(二酸化炭素)によって地球が暖められているからなのです。「緑化をすれば少しでもこれを軽減できる。」そんなところにターゲットを当て、ちょっと話は大きいですが地球環境について調べてみました。
日本の平均気温が100年間にどれくらい上昇したが知っていますか?答は1℃です。でもこれは平均であって、都市部での上昇はもっと大きく(東京都区部の年平均気温は100年間に2.9℃上昇)なっています。これを※1ヒートアイランド現象と呼んでいます。これに伴い1997年には地球温暖化防止を目的として※2京都議定書が発効され、各国に於ける二酸化炭素等の温暖化ガス排出の削減目標が設定されました。この目標を達成し、地球環境を守ることは人類の責任とされたのです。
環境省の報告書によれば、沿岸部や内陸部、緯度の高低に関係なく地方の中心都市でもヒートアイランド現象が顕在化していると発表されています。
緑化は、ヒートアイランド現象の緩和や、都市環境問題への対策として大きな役割を果たしており、重要な環境改善対策の1つとされています。
※1.ヒートアイランド現象 ※2.京都議定書
都市周辺の気温分布は、都心では郊外より高く、等温線を描くと同心円状の分布を示す。都心の高温部が海に浮かぶ島の形に似ることからヒートアイランド(熱の島)現象と呼ばれる。
この現象が最初に観測されたのは19世紀のロンドンで、最近は世界の各都市で観測されている。原因としては、▽ビルのコンクリートや道路の舗装で日中に吸収された太陽熱が夜間に徐々に放出され地表付近に熱がたまる、▽クーラーなどの人工熱の排出、▽樹木と土が減り水分蒸発による冷却能力が減少、▽高層建築の増加で換気がしにくくなる――などが考えられる。また、ヒートアイランド化が進むと、冬の時期には都市上空に大気の逆転層ができて、蓋をしたような状態になり大気汚染が深刻化するという。
京都議定書は「COP3」と呼ばれており、正式には、「気候変動枠組み条約第3回締約国会議」と言う。現在、気候変動枠組み条約締約国会議は第8回まで行われており、地球規模で気候変動問題に取り組んでいる。
気候変動枠組み条約第1回締約国会議(COP1) |
開催日:1995年3月 場所:ベルリン(ドイツ) 通称:気候サミット
論点
1) 温室効果ガス削減の数値目標と目標年度や2000年以降の行動について
2) 共同実施の基準
3) 手続き規則
4) 途上国への資金援助のメカニズム
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気候変動枠組み条約第2回締約国会議(COP2) |
開催日:1996年7月 場所:ジュネーブ(スイス)
論点
1)IPCC第2次評価報告書の評価(今後の気候変動対策を行う上で、十分な科学的根拠を与えてくれているのか?)
2)先進国からの第2回国別報告書のガイドライン(1994年に提出された第1回国別報告書にいくつか問題点が指摘され、97年4月に予定されている2回目の報告書の内容の改訂が問題になった。)
3)途上国からの第1回国別報告書のガイドライン(途上国は、先進国に比べて資金も技術もないので、同じ報告書は出来ないが、ではどうするのか?)
4)手続き規則(投票のルールとビューローの構成) |
気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3) |
開催日:1997年12月 場所:京都(日本)
論点
1)削減の対象とする温室効果ガスの種類
2)ガスの排出量の目標値の計算
3)削減目標
4)削減目標の年限
5)政策と措置
6)対象とする国
7)議定書の遵守 |
気候変動枠組み条約第4回締約国会議(COP4) 通称:ブエノスアイレス会議 |
開催日:1998年11月 場所:ブエノスアイレス(アルゼンチン)
論点
1)京都議定書の早期発効及び実施のための課題
2)枠組条約の実施上の課題
3)途上国の取組強化
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気候変動枠組み条約第5回締約国会議(COP5) |
開催日:1999年10月〜11月 場所:ボン(ドイツ)
論点
1)閣僚級会合
2)京都メカニズム(排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズム)
3)遵守問題
4)途上国問題
5)吸収源(シンク)
6)共同実施活動 |
気候変動枠組み条約第6回締約国会議(COP6) |
開催日:2000年11月 場所:ハーグ(オランダ)
論点
1)吸収源
2)途上国問題
3)京都メカニズム
4)遵守問題 |
気候変動枠組み条約第7回締約国会議(COP7) |
開催日:2001年11月 場所:マラケシュ(モロッコ)
論点
1)京都メカニズム
2)5/7/8条
3)遵守問題
4)途上国関連
5)吸収源
6)ヨハネスブルグ・サミットへの報告
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気候変動枠組み条約第8回締約国会議(COP8) |
開催日:2002年10月 場所:ニューデリー(インド)
論点
1)京都メカニズム
CDM理事会報告
カナダ提案の取扱いなど
2)気候変動枠組み条約
3)閣僚会合
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※COP3:第三回会議(The Third Conference of Parties)
※IPCC:気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)
※CDM:クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism) |