以前の記事「現実世界と3次元モデルを融合させるARを試してみました」では、プログラムでのり枠の3Dモデルを作成してARを試してみました。
今回は、Structure of Motion(SfM)という技術を利用して3Dモデルを作成し、ARを試してみました。
SfMとは複数の写真から3Dモデルを作成する技術です。
土木業界では、i-ConstractionやCIMの流れもあり、ドローン撮影で得た複数の写真からの3D化で利用されています。
ドローンに関しては、いさぼうネットでもドローンの特集を組んでいます。
現場の3Dモデルを利用できれば記事としては面白いのですが、そのような3Dモデルはなかなか表には出せないため、今回は本が山積みされたもので3Dモデルを作成しました。
図1の複数の写真からSfMで3Dモデルを作成しました。
そして、図2が作成した3Dモデルとなります。
3Dモデルの可視化にはMeshLab[1]というソフトウェアを利用しました。
図1.3Dモデル作成で用いた写真
図2.作成した3Dモデル
https://youtu.be/rT1xnvMSCAY
次に、現実世界と3Dモデルを重ね合わせる位置を決定するために、図3のマーカーを作成しました。このマーカーのある場所に3Dモデルが表示されます。
図3.3DモデルをARで表示するためのマーカー
それでは、本が山積みされた3Dモデルと現実世界をARで融合してみましょう!
図4がARの動画となります。
この融合のために、前回と同様、Processing[2]とNyARToolkit-for-processing[3]を利用しました。
図4.作成した3DモデルのAR
https://youtu.be/A5m1RflbGzk
3Dモデルの表示処理が追いつかず、動画がガタついてしまいました。
しかしながら、カメラの角度を変えると本の側面が見えたりと想像以上にいい感じにARになっています。
後半ではマーカーを移動させているのですが、この移動に3Dモデルも移動しています。
i-Constructionでは、主に省力化のために現場の3D化を推進していますが、3DモデルをARで利用することで、更に何かできそうな可能性がありそうです。
[1] |
MeshLab, http://www.meshlab.net |
[2] |
Processing, https://processing.org |
[3] |
NyARToolkit-for-processing, https://github.com/nyatla/NyARToolkit-for-Processing |