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国土地理院、全国広域に 5mメッシュ標高データを公開
 

平成24年3月28日

 

3月28日国土地理院から「高精度な数値標高データの公開について」が発表されています。

これまでも一部の地域については5mメッシュ標高は公開されていましたが、今回さらなる広範囲でのデータ供給をすると発表されています。

今、各地の津波被害予測等が実施されていますが、その精度などの高度化が期待されます。

新たに公開を開始する面積は約134,000㎢であり、既に国土地理院より公開しているものも含めて、合計で約170,000㎢(国土の約45%)の地域で高精度な数値標高データが提供されることとなります。今回の発表を含め、これで5mメッシュ標高が提供される範囲は以下の通りです。

この高精度な数値標高データ(基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュ(標高)は、下記のウェブサイトから入手できます。全国のかなりの地域の5mメッシュ標高が提供されることになり、業務にも使えるのではないでしょうか。

▽基盤地図情報ダウンロードサイト

  http://fgd.gsi.go.jp/download/


なお、今回公開のデータは東北地方太平洋沖地震の発災前に整備したものであり、特に東北地方整備局管内及びその周辺の成果については位置の精度が基準を満たさない場合や現況と大きく異なっている場合があ ります。したがって測量の位置の基準として使用することはできず、あくまでも参考データとしての利用ということです。東北地方太平洋沖地震の後に実施した測量成果は、平成24年8月以降、データの整備が完了次第、順次提供するということです。

ところで、5mメッシュ標高はどのような課程で生成されるか知っていますか?5mメッシュ標高は、航空レーザースキャナ計測により取得した標高データから、家屋・高架・橋梁等の人工構造物および樹木等の植生をフィルタリング処理等により除去し、5m間隔に内挿補間し求めた数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)データです。

世界測地系に基づく平面直角座標系で作成されており、2千5百分1国土基本図の区画をファイル単位としています。標高値は0.1m単位で記録しており、海水部・陸水部には「-9999」というコードを割り当てています。

ではこの5mメッシュ標高は何に使えるのでしょうか?
まず考えられるのが、都市部における水害防災へのデータ利用です。

都市型の水害では、盛土・切土等の微地形が大きな影響を及ぼします。これまでの標高データは、最も詳細なものでも約10m精度であり、かつ地図上の等高線を元データとしていたため、これらの微地形をモデリングすることは不可能でした。

一方で数値地図5mメッシュは、航空レーザースキャナの採用により、微地形までも詳細にデータ化しています。水害予測シミュレーション、防災行政に不可欠な基盤データといえます。

また我々の営む斜面防災でも利用は可能です。例えば実施業務で地すべりの3D安定計算を行う場合、メッシュの間隔は、地すべり規模にもよりますが、2m〜10mで行われています。したがって中〜大規模の地すべりには十分に適用可能であり、簡単に提案などができそうです。

 


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