国土交通省 平成28年度予算では、関東・東北豪雨災害を踏まえ、氾濫による災害リスクおよび被害軽減を考慮した予算が組まれており、それに伴うご業務も多数発注されています。
今回、いさぼうネットでは、防災技術者にも注目度の高い、浸水想定区域図作成に関する業務がどのくらい実施されているのかなどをまとめてみました。
まず発注状況を調べました。確認できただけで142件の業務が発注されています。
■発注状況 (2016年12月8日まで、委託名に “浸水想定” が入っているもの。 ※「入札ウォッチネット」調べ)
○国土交通省 6件 |
○県関係 136件
青森県 |
4件 |
岩手県 |
1件 |
秋田県 |
1件 |
山形県 |
4件 |
茨城県 |
16件 |
群馬県 |
5件 |
千葉県 |
4件 |
東京都 |
1件 |
神奈川県 |
7件 |
新潟県 |
11件 |
富山県 |
7件 |
石川県 |
3件 |
福井県 |
8件 |
山梨県 |
1件 |
静岡県 |
2件 |
愛知県 |
1件 |
三重県 |
4件 |
滋賀県 |
2件 |
京都府 |
9件 |
和歌山県 |
6件 |
鳥取県 |
2件 |
岡山県 |
5件 |
広島県 |
6件 |
山口県 |
7件 |
徳島県 |
2件 |
佐賀県 |
6件 |
大分県 |
7件 |
宮崎県 |
4件 |
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◎ 全142件 |
次にこれらの業務の内容を見てみました。
浸水範囲の特徴分析や浸水想定区域図作成の他、避難に関する分析を実施している業務もありました。
■業務内容
・浸水想定区域図作成
・浸水範囲の特徴分析
・水位周知河川基準水位検討
・出水特性の分析
・業務避難に関する分析
・高潮浸水想定区域図作成
・業務避難に関する分析
など
業務委託金額は、かなり幅があるようです。
■予定価格(判明分のみ)
400万〜3400万円
これらの業務の仕様書例です。このような内容に対して業務が実施されています。
また特記仕様書を見ますと、各発注者で地域の特性が加味されている印象を受けます。
■特記仕様書内容例
・地盤標高メッシュ 5m×5m
・浸水解析 25mメッシュ
・メッシュ毎に平均地盤標高を整理
・粗度係数(土地利用状況)、建物占有率(各メッシュにおける空隙率)を整理
・河道断面ごとに、氾濫開始水位を設定し、その水位に対応する流量(氾濫開始流量)を算出・整理
・流出モデルは既往成果または既往の河道計画を基に「計画規模を上回る洪水発生時の浸水解析の手引き(案)」により検討
・阻害線(盛土)データ ・盛土位置、高さ ・カルバート位置、幅
・排水機場諸元データ
・排水樋管・樋門諸元データ
・基礎式として用いる運動方程式及び連続式に建物占有率(メッシュごとの空隙率)考慮
・対象降雨規模は、中頻度、中高頻度、高頻度の3 降雨
・既往浸水想定区域との比較
・対象洪水の設定 「浸水想定(洪水、内水)の作成等のための想定最大外力の設定手法(平成 27 年 7 月 国 土交通省水管理・国土保全局)」に基づき設定
など
今後さらに河川氾濫、内水氾濫の脅威は増すものと考えられ、以下にこれらの業務に使用する基準や指針、参考文献のリンク集も掲載しましたので、この機にダウンロードしておくのも良いと思います。
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