国土交通省では、ICTや3次元データの活用等により、i-Constructionを進めていますが、
平成31年度以降、更なるICTの活用による生産性向上を図るための要領、基準類を改定・発表しています。
その中で、ICT施工の工種が拡大され、いよいよICT法面工が具体化されてきました。
▽国土交通省の資料:「i-Constructionの貫徹に向けた基準類の策定」http://www.mlit.go.jp/common/001283918.pdf
ここでは、同資料のうちの法面工の部分を画像引用して説明します。
従来の法面工は以下のように施工されていました。
① 測量・・・斜面上を実測作業します。
② 起工測量に基づき、設計成果を修正、法枠割り付けなど、配置を見直します。
③ 施工
④ 施工後、斜面上の出来高計測
⑤ 高所斜面上、その場で検査
施工を含め、ほとんどが現地にて実施することとなっていました。
これがICT施工となり、以下のように変わります。
① 測量はUAV・TLSにより、3次元測量を行います。斜面に上る必要はなく、人の立入が危険な急傾
斜も短時間で面的に3次元測量を実施できます。
② 3次元測量データによる設計・施工計画を行います。3次元測量結果から吹付面の照査に基づく変
更数量算出します。
③ 施工
④ 出来形数量確認には点群の他TS等ノンプリ断面計測も可とします。これは画期的であり、現地に
上る必要がありません。管理は従来規格値及び測定項目を使います。これらは法面工のうち、当
初は吹付けに適用し、今後現場打ち法枠や、プレキャスト法枠等へ適用範囲を拡大していきま
す。
⑤ 面データによる検査:検査の効率化を計りTS等を用いた出来形管理により検査を効率化します。
斜面上というよりも現場でなくても検査可能となります。
⑥ 施工・検査データは、維持管理の初期値データとなります。技術、ソフトウェアの確立により取
得データを点検等の初期値として利活用するのです。
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