一般社団法人全国治水砂防協会から、「令和元年 改訂版 新・斜面崩壊防止工事の設計と実例−急傾斜地崩壊防止工事技術指針−」が刊行されました。
全国治水砂防協会ホームページによりますと、『本書は昭和57年に発刊の後、平成8年の増補改訂より20年以上が経過したことから、このたび3か年余に及ぶ改訂作業により内容の大幅な見直しを行い「令和元年版」として改訂版を発行することとなりました。
』(全国治水砂防協会ホームページ)とあります。
さっそく購入して内容を確認してみましたところ、大幅な見直しがされています。
特に目立つキーワードとして、下記が挙げられます。
1) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律
2) 待受式コンクリート擁壁工
3) グラウンドアンカー工の設計・施工
4) 地山補強土の設計施工
5) 落石対策工の設計・施工
6) 最新技術の掲載
7) <参考編>近年の設計・施工事例の紹介
1)一般に土砂災害防止法と呼ばれるもので、土砂災害警戒区域(イエローゾーン)、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の定義がされています。急傾斜事業では、必須の法律ですので、一読の必要がある項目です。
2)前回版ではなかった衝撃力を考慮した、待受式コンクリート擁壁の記載があります。
3)2012年の地盤工学会新基準に対応しています。土被りなどの記載に変更があります。
4)章として、確立され、地山補強土工法について、かなりのページ記載されています。
5)ロープ伏せ工、補強土を用いた落石防護土堤、斜面上の落石防護土堤の例、落石防護溝の例が記載されています。
6)最新技術として、連続長繊維補強土工、長距離高強度工法、待ち受け式高エネルギー吸収型崩壊土防護柵工などが記載されています。
7) 参考編には、ここ数年実施された(されている)工区の設計・施工例が記載されています。
その他、前回独立した章立てだった「吹付工」が、その他工種に編入されていました。