早いもので、1年を振り返る時期が来ました。
今年の最大のニュースは年号が変わったことでした。
2019年4月30日、平成の世が幕を閉じ、5月1日から「令和」の扉が開きました。
建設土木としてはどんな時代になるか?
「平成」の30年間で多くの災害が発生しました。被害に遭われた皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。次の「令和」の時代は、災害で苦しむ人が少しでも減りますように・・・。ただその幕開けは、一言でいうと災害の連続でした。
降雨、土砂災害をキーワードとすると、息つく間もなく豪雨が続き、災害が発生しました。
6/30〜 風水害 6月30日からの大雨による災害
7/20〜 風水害 梅雨前線に伴う大雨及び令和元年台風第5号に係る災害
8/06〜 風水害 令和元年台風第8号による災害
8/12〜 風水害 令和元年台風第10号による災害
8/26〜 風水害 令和元年8月の前線に伴う大雨による災害
9/08〜 風水害 令和元年台風第13号による災害
9/07〜 風水害 令和元年台風第15号の災害
9/19〜 風水害 令和元年台風第17号による災害
10/3〜 風水害 令和元年台風第18号による災害
10/12〜 風水害 令和元年台風第19号による災害
被害の確認もできないまま、次の豪雨が近づく、そんな状況の繰り返しでした。
7月の台風第5号による対馬での大雨災害、9月の台風第15号による千葉県南部を中心とした暴風被害、同じく9月の台風第17号に伴う延岡での突風被害など、本年も既に多くの“台風”に伴う被害が発生し、気象研究所では、緊急研究課題を立ち上げ、研究に取り組んでいるようです。
研究成果はHPにアップされるようなので、こちらもチェックしていければいいと思います。
▽緊急研究課題を立ち上げ、災害をもたらした令和元年度台風の実態解明等の研究に取り組みます。(気象庁気象研究所)
http://www.mri-jma.go.jp/Topics/R01/011015/20191015_kinkyukenkyu.html
災害が発生すると、我々防災の技術者はより多くの貢献を期待されたのではないでしょうか。何はともあれ、年末年始はごゆっくりと身体を休めてください。1年間のご愛顧ありがとうございました。
令和2年はどんな気象となるのかを考えながら・・・、よいお年を!
風水害 6月30日からの大雨による災害
6月下旬から梅雨前線が西日本から東日本付近に停滞し、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだため前線の活動が活発となり、6月28日から7月5日までの総降水量は、宮崎県えびの市えびので1089.5ミリに達し、鹿児島県や宮崎県、熊本県では500ミリを超えたところがあり、記録的な大雨となった。 |
土砂災害発生件数 212件(土石流等: 12件、地すべり: 4件、がけ崩れ:196件)
都道府県別発生件数(鹿児島県150件、富山県4件、宮崎県12件、高知県3件、静岡県10件、熊本県3件、千葉県7件、長野県2件、神奈川県5件、石川県1件、長崎県5件、徳島県1件、福島県4件、愛媛県1件、新潟県4件
http://www.mlit.go.jp/river/sabo/r10630ooame/r10630ooame07311500jiten.pdf |
風水害 梅雨前線に伴う大雨及び令和元年台風第5号に係る災害
台風第5号周辺や太平洋高気圧の縁をまわって流れ込んだ暖かく湿った空気の影響で西日本では7月20日から21日にかけて局地的に猛烈な雨が降った。特に、長崎県の五島と対馬では19日夜から20日昼過ぎにかけて発達した雨雲が次々と流れ込み、数十年に一度の記録的な雨となり、20日10時5分に大雨特別警報を発表した(同日16時10分までに大雨特別警報はすべて解除)。また、21日未明から朝にかけて佐賀県から福岡県にかけて発達した雨雲が停滞し、24時間で7月の平年の降水量を超える記録的な大雨となったところがあった。また台風第5号は21日21時に温帯低気圧に変わったが、この低気圧に向けて暖かく湿った空気が流れ込み続けるとともに、上空に寒気が流れ込んだため、西日本と東日本の広い範囲で大気の状態が非常に不安定となり、22日夜遅くには東海地方で局地的に猛烈な雨となった。 |
土砂災害発生件数 24件(土石流等: 1件、地すべり: 0件、がけ崩れ: 23件)
都道府県別発生件数(長崎県13件、熊本県3件、福岡県2件、大分県2件、広島県2件、宮崎県1件、香川県1件)
http://www.mlit.go.jp/river/sabo//jirei/r1dosha/typhoon5/r1typhoon507311800jiten.pdf |
風水害 令和元年台風第8号による災害
台風第8号は、8月6日5時頃に宮崎市付近に上陸した。その後も北西に進み、7日9時に日本海で熱帯低気圧となった。西日本には台風周辺の暖かく湿った空気が入り大気の状態が非常に不安定となった。このため、宮崎県延岡市や大分県佐伯市等では1時間に約110〜120ミリの猛烈な雨となり、5日から7日24時までの総降水量が徳島県那賀町の木頭(キトウ)で467ミリとなったほか、九州や四国の太平洋側で300ミリ前後の大雨となった。 |
風水害 令和元年台風第10号による災害
台風第10号は8月12日から14日にかけて日本の南海上を北西に進み、その後進路を北寄りに変えた。15日11時過ぎに愛媛県佐田岬半島付近を通過し、15時頃に広島県呉市付近に上陸して中国地方を縦断した。15日夜に山陰沖へ抜けた後、日本海を北東に進み、16日21時に日本海北部で温帯低気圧に変わった。台風の接近・通過に伴い、西日本と東日本では非常に強い風が吹き、猛烈な雨が降った。また、海上ではうねりを伴った猛烈なしけとなった所があった。8月12日から17日の総雨量は高知県魚梁瀬(ヤナセ)で872.5ミリを観測するなど、西日本太平洋側を中心に500ミリを超える大雨となった。 |
土砂災害発生件数 13件(土石流等: 0件、地すべり: 0件、がけ崩れ: 13件)
都道府県別発生件数(和歌山県4件、高知県4件、大分県2件、三重県1件、京都府1件、徳島県1件)
http://www.mlit.go.jp/river/sabo/jirei/r1dosha/r1typhoon101908211700jiten.pdf |
風水害 令和元年8月の前線に伴う大雨による災害
前線と湿った空気の影響で、九州北部地方を中心に8月26日からの総降水量が600ミリを超えたところがあるなど記録的な大雨となった。特に、8月28日明け方には1時間100ミリ以上の記録的な大雨が相次いで観測されるなど、重大な災害の起こるおそれが著しく高まったことから、28日5時50分に佐賀県、福岡県、長崎県に大雨特別警報を発表した。 |
土砂災害発生件数 142件(土石流等: 5件、地すべり: 6件、がけ崩れ: 131件)
都道府県別発生件数(長崎県68件、佐賀県51件、山口県5件、新潟県4件、大分県3件、長野県2件、宮城県1件、富山県1件、石川県1件、静岡県1件、岐阜県1件、島根県1件、福岡県1件、熊本県1件、鹿児島県1件)
http://www.mlit.go.jp/river/sabo//jirei/r1dosha/r1zennsen1909090800jiten.pdf |
風水害 令和元年台風第13号による災害
台風第13号は9月8日9時に中国東北区で温帯低気圧に変わった。台風の接近に伴い、沖縄県宮古島市下地で最大風速47.7メートルを観測するなど、先島諸島では猛烈な風が吹き、海上ではうねりを伴った猛烈なしけとなった。台風や太平洋高気圧の縁をまわる暖かく湿った空気の影響で、南西諸島や西日本、東日本の太平洋側では大気の状態が非常に不安定となり、所々で雷を伴った非常に激しい雨が降り、三重県四日市市では1時間降水量105.0ミリを観測するなど、局地的には猛烈な雨が降った。 |
風水害 令和元年台風第15号の災害
台風第15号は、9月7日から8日にかけて小笠原近海から伊豆諸島付近を北上し、9日3時前に三浦半島付近を通過して東京湾を進み、5時前に強い勢力で千葉市付近に上陸した。その後、9日朝には茨城県沖に抜け、日本の東海上を北東に進んだ。
台風の接近・通過に伴い、伊豆諸島や関東地方南部を中心に猛烈な風、猛烈な雨となった。特に、千葉市で最大風速35.9メートル、最大瞬間風速57.5メートルを観測するなど、多くの地点で観測史上1位の最大風速や最大瞬間風速を観測する記録的な暴風となった。 |
風水害 令和元年台風第17号による災害
9月19日に沖縄の南で発生した台風第17号は、21日午前、強い勢力で沖縄地方に接近した後、22日夜には対馬海峡を抜けて日本海に入り、23日9時に日本海で温帯低気圧となった。その後は津軽海峡付近を東北東に進み、24日午前には千島近海へ進んだ。台風の接近・通過に伴い、沖縄県渡嘉敷村で32.9メートルの最大風速を観測するなど、沖縄地方で最大風速30メートル以上の猛烈な風を観測した。また、長崎市野母崎で最大風速29.2メートルを観測するなど、西日本の広い範囲で最大風速20メートル以上の非常に強い風を観測したほか、宮崎県延岡市では22日に竜巻が発生した。台風周辺の湿った空気や前線の影響で、宮崎市赤江では1時間に109.5ミリの猛烈な雨を観測したほか、総雨量では徳島県那賀町木頭で500ミリに達するなど、西日本の太平洋側を中心に大雨となった。 |
風水害 令和元年台風第18号による災害
9月28日にフィリピンの東で発生した台風第18号は、30日夜に大型で強い勢力で沖縄地方に接近した後、東シナ海を北上し10月3日に朝鮮半島を抜けて日本海に入り、3日15時に日本海で温帯低気圧となった。その後は4日夜に東北地方を横断し、5日には太平洋へ進んだ。台風の接近・通過に伴い、沖縄県竹富町で30.7メートルの最大風速を観測するなど、沖縄地方で最大風速30メートル以上の猛烈な風を観測した。また、台風や台風から変わった温帯低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだことで大気の状態が非常に不安定となり、四国地方、九州北部、沖縄地方で猛烈な雨が降り、高知県や沖縄県で300ミリを超える総降水量となるなど各地で大雨となった。 |
風水害 令和元年台風第19号による災害
台風第19号は10月12日19時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸した後、関東地方を通過し、10月13日未明に東北地方の東海上に抜けた。台風本体の発達した雨雲や台風周辺の湿った空気の影響で、静岡県や新潟県、関東甲信地方、東北地方を中心に広い範囲で記録的な大雨となった。10日からの総雨量は神奈川県箱根町で1000ミリに達し、関東甲信地方と静岡県の17地点で500ミリを超えた。この記録的な大雨により、12日15時30分に静岡県、神奈川県、東京都、埼玉県、群馬県、山梨県、長野県の7都県に、12日19時50分に茨城県、栃木県、新潟県、福島県、宮城県の5県に、13日0時40分に岩手県に特別警報を発表した。東京都江戸川臨海では観測史上1位の値を超える最大瞬間風速43.8メートルを観測するなど、関東地方の7か所で最大瞬間風速40メートルを超える暴風となったほか、東日本から北日本にかけての広い範囲で非常に強い風を観測した。また、12日には千葉県市原市で竜巻とみられる突風が発生した。
10月24日から26日にかけて西日本から北日本の太平洋側沿岸に沿って低気圧が進み、この低気圧に向けて南から暖かく湿った空気が流れ込むとともに、日本の東海上にあった台風第21号からも湿った空気が流れ込んで、大気の状態が非常に不安定となった。これにより関東地方から東北地方の太平洋側を中心に広い範囲で総降水量が100ミリを超え、特に千葉県や福島県を中心に200ミリを超える記録的な大雨となった。 |
土砂災害発生件数 953件(土石流等: 423件、地すべり: 44件、がけ崩れ: 486件)
都道府県別発生件数(宮城県294件、福島県138件、岩手県97件、神奈川県93件、群馬県67件、長野県58件、新潟県45件、静岡県42件、栃木県36件、埼玉県24件、東京都23件、茨城県15件、山梨県11件、山形県3件、千葉県2件、青森県1件、秋田県1件、石川県1件、三重県1件、和歌山県1件)
http://www.mlit.go.jp/river/sabo//jirei/r1dosha/r1typhoon191911180800jiten.pdf |
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