国土交通省道路局から、橋梁等の2019年度点検結果のとりまとめ-道路メンテナンス年報(2巡目第1弾)-が公表されました。
2013年度の道路法改正等を受け、2014年度から道路管理者は全ての橋梁、トンネル、道路附属物等について、5年に1度の点検が義務付けらました。
2018年度に1巡目点検が完了し、2019年度から2巡目点検が実施されています。
2巡目の初年度である2019年度の点検の完了に伴い、2019年度結果と、これまでの診断結果や措置状況等を「道路メンテナンス年報」として公表したものです。
要旨は以下です。
■2巡目点検初年度の点検は1巡目点検より進捗 2巡目点検の初年度となる2019年度の点検実施割合は、橋梁:17%,トンネル:16%,道路附属物等:18%を実施されており、1巡目初年度よりも進捗している。
■地方公共団体の修繕等措置の着手率が未だ3割
1巡目点検で早期に措置を講ずべき状態(判定区分III)又は緊急に措置を講ずべき状態(判定区分IV)と診断された橋梁で、2019年度末までに修繕等の措置に着手した割合は、国土交通省:69%、高速道路会社:47%、地方公共団体:34%となっている。
判定区分III・IVである橋梁は次回点検まで(5年以内)に措置を講ずるべきとしているが、地方公共団体における2014年度点検で判定区分III・IVと診断された橋梁は、修繕等の措置の着手率が52%と遅れている。
■5年間で早期又は緊急に措置を講ずべき状態に変化した割合は5%
1巡目の2014年度点検で健全又は予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態(判定区分I・II)と診断された橋梁のうち、修繕等の措置を講じないまま、5年後の2019年度点検において、早期又は緊急に措置を講ずべき状態(判定区分III・IV)へ遷移した橋梁の割合は全道路管理者合計で5%となっている。
■撤去等を実施する橋梁の増加 2019年度末時点で判定区分IVと診断された橋梁は812橋となり、前年度より72橋増加しており、その対策として、撤去又は廃止された橋梁も255橋(予定含む)と前年度末より17橋増加している。
■点検新技術を活用した地方公共団体は1割未満 2019年度の点検において、ドローン等の点検支援技術を活用した地方公共団体は32団体、トンネルで5団体に留まっている。
点検の実施率は上がっているが、修繕・対策が遅れている実態が明らかになってきています。また国が進めたい、ドローン等の点検支援技術の導入もなかなか進んでいない実情も見えています。
是非この結果を見ていただき、地方自治体には積極的に修繕を進め、またコンサルタント側も人手不足の折、ドローン等の点検支援技術の積極導入につなげるべきではないでしょうか。
<参考リンク>
▽「道路メンテナンス年報」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/yobohozen_maint_r01.html
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