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 通達、業界ニュース
盛土の可能性のある箇所のデジタル抽出
〜デジタルマップの2時期比較で抽出とは〜
令和3年7月15日

 静岡県熱海市における土石流災害を受け、国土交通省から、今後の盛土の点検の参考となるよう、整備済みのデジタルマップを利用した全国における概略的な盛土可能性箇所の抽出を行うことが発表されました。

 具体的にはどのような手法で行うのか
国土地理院において、作成時期の異なる基盤地図情報数値標高モデルのデータを比較することにより、一定以上標高に変化のある箇所を盛土の可能性のある箇所として抽出するのです。  

  手順としては以下の通り。
①地形改変前(2000年頃までのデータ)地形
地形改変前地形として、1/25,000地形図のデータを基に作成した基盤地図
情報数値標高モデルは既に全国で整備済み。地域によって異なりますが、1990年から2000年頃までの地形を反映しています。
水平精度は17.5m、標高精度は5.0m。基盤地図情報ダウンロードサービスから無償で10mメッシュデータとして現在もダウンロード可能となっています。  


②地形改変後(2008年以降のデータ)地形
航空レーザ測量により作成したもので、2008年頃から本格的な整備を開始し、主要沿岸部・都市部主要河川等全国の約7割で整備済み。標高精度は0.3m(植生等がない場合)。同じく基盤地図情報ダウンロードサービスから無償で5mメッシュデータとして現在もダウンロード可能となっています。  


③標高差分
デジタル的に上記①、②の標高差分を取り、色分けして地形変化量図(切土:<-5m・盛土:>+5mの分布図)を作成し、地形変化量が+5mの領域を盛土可能性箇所として抽出します。  


④抽出した箇所については、関係省庁や地方公共団体に提供する予定  

 人的作業ではなくデジタル的に行うことから抽出スピードの速さ、抽出基準の統一化は非常に期待できるところです。
一方で10mの標高精度が今一つなので、果たして抽出の結果が実情をどの程度反映できるか不透明部分もありますが、早く出来上がったマップを見てみたいと思います。  

 なお、「大規模盛土造成地マップ」作成時の「地形変化量図」があれば、より精度の高いデータとして利用可能となります。
ビッグデータからデジタル的にできることを考え、AIの利用などを加えその内容は急激に増えていきそうです。

<参考リンク>

▽「盛土の可能性のある箇所の概略的な抽出について
  〜デジタルマップの2時期比較で抽出します〜」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo01_hh_000112.html

 

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