早いもので、1年を振り返る時期が来ました。
内閣府の「防災情報のページ」には、平成12年からの主な災害情報が載っています。
当該ページによれば、今年発生した主な災害(12/6段階)は、以下の5件(風水害2件、地震2件、雪害1件)です。
■2021年(令和3年)災害一覧
①1月7日からの大雪
7日以降11日にかけて、北日本から西日本にかけての日本海側を中心に断続的に強い雪が降り、普段雪の少ない九州や四国などでも積雪となったところがあった。北陸地方を中心に7日から9日にかけて発達した雪雲が流れ込み続けたため、3時間に20センチを超える顕著な降雪量を観測し、新潟県高田では9日に24時間降雪量103センチを観測し、観測史上1位の記録を更新した。
②福島県沖地震 2021年2月13日
マグニチュード7.3、震源の深さは55 km。福島県、宮城県で最大震度6強。
2011年3月の東日本大震災の余震。
負傷者185名(うち重傷者12名)、住家の全壊20棟・半壊33棟・一部破損2,596棟。
③令和3年7月 集中豪雨 2021年7月1日から
7月1日から3日にかけて静岡県や神奈川県を中心に大雨が降り、神奈川県の箱根市で72時間雨量が800ミリを超え、静岡県熱海市では土石流災害が発生しました。
土石流 被害棟数131棟・死者22名・行方不明5名
主な氾濫河川(決壊含む)
・豊川 (愛知県)
・国府川(鳥取県) 外46河川
死者26名、行方不明2名、負傷者10名(うち重傷者2名)
住家の全壊59棟・半壊88棟・一部破損207棟、床上浸水413棟・床下浸水2,511棟。
(土石流被害含む)
④令和3年8月 集中豪雨 2021年8月11日から
8月11日から16日にかけて断続的に前線の影響で九州、北陸、中国地方をはじめ各地で大雨が続き、佐賀県の嬉野市で72時間雨量が900ミリ超え、長崎県の雲仙市、長崎市、佐賀県の鳥栖市で72時間雨量が800ミリを超え、国管理河川と都道府県管理河川を合わせて27水系67河川で氾濫した。
死者13名、負傷者16名(うち重傷者2名)
住家の全壊43棟・半壊1,315棟・一部破損295棟、床上浸水1,023棟・床下浸水5,527棟。
⑤東京・埼玉地震 2021年10月7日
千葉県北西部を震源とする地震があり、東京、埼玉で震度5強、関東南部の各地で震度5弱を観測。
首都圏の鉄道で運休や大幅な遅れが発生。
地震のマグニチュードは5.9、震源の深さは80 km。
熱海の土石流のインパクトが強く、災害が多かったイメージですが、実は災害の数はH.26をピークに徐々に減ってきています。
以下は「防災情報のページ」から年度別の災害発生件数をグラフ化したものです。現在はH.26からは1/5程度であることがわかります。
また災害種別のグラフは以下のようになります。
全体の流れを見るとH.16にピークがあり、その後減少、6年後から上昇に転じ、10年後にピークを記録しました。もし同様の流れがあるとすれば来年くらいから上昇に転じそうです。
そうなった場合は、我々斜面防災技術者の受け持つ役割はますます増えていきます。
いさぼうネットは、そのような事態に備え、種々の情報をいち早く伝えることに精進していきたいと思います。
今年も1年間ご愛顧いただきありがとうございました。よいお年をお迎えください。
<参考リンク>
▽「防災情報のページ 」(内閣府)
http://www.bousai.go.jp/
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