早いもので、1年を振り返る時期が来ました。
内閣府の「防災情報のページ」には、平成12年からの主な災害情報が載っています。
当該ページによれば、今年発生した主な土砂災害(11/30段階)は、17件(土石流182件、地すべり34件、がけ崩れ551件)です。
主な災害は以下のとおりです。
■1/22 大分県佐伯市弥生でがけ崩れ
■2/01 石川県金沢市東長江町でがけ崩れ
■2/14 千葉県勝浦市浜行川でがけ崩れ
■3/14 福島県河沼郡柳津町四ッ谷で地すべり
■3/16 新潟県上越市吉川区川谷で地すべり
(以上「令和4年 全国の土砂災害発生状況(3月31日時点)(国土交通省)」参照)
■4/22 静岡県賀茂郡西伊豆町仁科で土石流
(以上「令和4年 全国の土砂災害発生状況(4月30日時点)(国土交通省)」参照
■5/09 長野県下水内郡栄村堺で土石流
(以上「令和4年 全国の土砂災害発生状況(5月31日時点)(国土交通省)」参照)
■5/09 長野県下水内郡栄村堺で土石流
■6/19 北海道北見市開成で土石流
■6/22 静岡県下田市敷根でがけ崩れ
(以上「令和4年 全国の土砂災害発生状況(6月30日時点)(国土交通省)」参照)
■7/09 京都府福知山市菟原下でがけ崩れ
■7/09 福島県西会津町奥川で土石流
■7/12 埼玉県比企郡ときがわ町関堀で地すべり
(以上「令和4年 全国の土砂災害発生状況(7月31日時点)(国土交通省)」参照)
■8/03 福島県西会津町奥川で土石流
■8/03 岩手県葛巻町垂柳で土石流
■8/04 新潟県村上市小岩内で土石流
■8/07 長野県小川村佐峰で地すべり
■8/21 石川県小松市中ノ峠町
(以上「令和4年 全国の土砂災害発生状況(8月31日時点)(国土交通省)」参照)
■9/19 宮崎県日之影町七折でがけ崩れ
■9/19 宮崎県三股町長田で土石流
■9/19 宮崎県日之影町七折でがけ崩れ
■9/24 静岡県掛川市遊家でがけ崩れ
■9/24 静岡県浜松市天竜区緑恵台でがけ崩れ
(以上「令和4年 全国の土砂災害発生状況(9月30日時点)(国土交通省)」参照)
発生件数の上位5県は以下のとおりです。
■静岡県 214件
■新潟県 73件
■宮崎県 70件
■鹿児島県 53件
■宮城県 33件
災害関連緊急地すべり対策事業は3件
・長野県小川村における災害関連緊急地すべり対策事業の実施について【濁沢地区】(R4.9.16)(PDF)
・埼玉県ときがわ町における災害関連緊急地すべり対策事業の実施について【関堀地区】(R4.8.25)(PDF)
・埼玉県ときがわ町における災害関連緊急地すべり対策事業の実施について(部分申請)【関堀地区】(R4.7.22)(PDF)
(以上「国土交通省砂防部」参照)
災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業は1件
・静岡県下田市における災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業の実施について【敷根B地区】(R4.7.22)(PDF)
(以上「国土交通省砂防部」参照)
災害関連緊急砂防事業は11件
・岩手県葛巻町における災害関連緊急砂防事業の実施について【小安孫沢】(R4.9.15)(PDF)
・岩手県葛巻町における災害関連緊急砂防事業の実施について【洗場沢】(R4.9.15)(PDF)
・福井県敦賀市における災害関連緊急砂防事業の実施について【大毛谷川支川】(R4.9.15)(PDF)
・福井県敦賀市における災害関連緊急砂防事業の実施について【木の芽川支川】(R4.9.15)(PDF)
・新潟県村上市における災害関連緊急砂防事業の実施について(部分申請)【小岩内大沢川】(R4.8.25)(PDF)
・新潟県村上市における災害関連緊急砂防事業の実施について(部分申請)【上江沢川】(R4.8.25)(PDF)
・新潟県村上市における災害関連緊急砂防事業の実施について(部分申請)【貝附大沢川】(R4.8.25)(PDF)
・新潟県村上市における災害関連緊急砂防事業の実施について(部分申請)【モンキッ沢川】(R4.8.25)(PDF)
・新潟県村上市における災害関連緊急砂防事業の実施について(部分申請)【念仏沢川】(R4.8.25)(PDF)
・北海道北見市における災害関連緊急砂防事業の実施について【開成峠左3の沢川】(R4.7.22)(PDF)
・静岡県西伊豆町における災害関連緊急砂防事業の実施について【三堂川】(R4.5.30)(PDF)
(以上「国土交通省砂防部」参照)
42道府県で788件の土砂災害が発生し、死者2名、人家被害284戸の被害が生じました。
8月・9月の合計では、32道県で524件の土砂災害が発生し、直近10年(H24-R3)の同期間の平均発生件数(366件)を大幅に上回り、夏の災害が多かった特徴があります。8月3日からの大雨は全国各地の36のアメダス観測地点で1時間降水量の観測史上1位を更新、その結果、土砂災害が局所的かつ集中的に発生しました。台風第15号では全数の9割以上の167件の土砂災害が静岡県で発生しました。これは単一の台風、単一の県で発生した件数として歴代2位でした。ちなみに1位は令和元年東日本台風での宮城県の254件です。
皆様のかかわられた災害はありましたでしょうか。
本年値は1月1日から12月21日までの速報値ですが、以下はS57〜R4の土砂災害件数の推移です。
全体の流れを見るとH.16にピークがあり、その後減少、6年後から上昇に転じ、10年後にピークを記録しました。もし同様の流れがあるとすれば来年くらいから上昇に転じそうです。そうなった場合は、我々斜面防災技術者の受け持つ役割はますます増えていきます。
いさぼうネットは、そのような事態に備え、種々の情報をいち早く伝えることに精進していきたいと思います。
今年も1年間ご愛顧いただきありがとうございました。よいお年をお迎えください。
<参考リンク>
▽「8月から9月は平年を上回る土砂災害が発生〜令和4年の土砂災害発生件数の速報値を公表〜」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo02_hh_000135.html
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