国土地理院は、長年の地殻変動によって蓄積された標高データのズレや、水準測量に伴う誤差の解消などを目的に、令和7年4月1日に管理している電子基準点、三角点、水準点などの標高データを、衛星測位(電子基準点とジオイド)を基盤とする最新の値に改定されます。 この改定による具体的な効果は下記が挙げられています。
■標高の改定による具体的な効果
- ①地殻変動で累積した現実と標高成果とのズレを解消
- ②「ジオイド2024 日本とその周辺」と衛星測位を用いて従来よりも迅速かつ高精度に現況にあった標高を取得可能
→地震後に迅速な標高成果の提供、新たな測量方法
- ③水準測量の起点から距離が離れるに従って蓄積していた標高の誤差が解消
- ④標高の時点(元期)が明確となることで、標高の整合性が全国一律に向上し、電子基準点による全国の標高の時間変化の監視が可能となるとともに、「4次元国家座標(測量成果の時間管理)」の実現に向けた基礎が整備される
国土交通省国土地理院 測地部作成.全国の標高成果の改定〜衛星測位を基盤とする新しい標高へ〜 より引用
また、標高成果2024への改定とあわせて、「GNSS標高測量」を公共測量に導入される予定です。これは、GNSS観測で得られる楕円体高と、今回構築予定の標高基準の高さ(ジオイド高)により直接標高が得られる新しい測量手法であり、導入する事で従来の水準測量に加え、GNSSを用いた迅速かつ高精度な標高決定が可能(特に復旧・復興時に効果を発揮)となる事や、利用者の目的に応じて測量方法が選択できるようになる事が期待されています。
詳しい改定内容や変更点は、国土地理院の講演資料や講演動画、Q&Aにまとめられていますので、ぜひ事前にチェックすることをお勧めします。
▽「全国の標高成果の改定【予告】」(国土交通省国土地理院) https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/hyoko2024rev.html
<参考リンク>
▽第53回国土地理院報告会 講演資料(講演動画はこちら) (国土交通省国土地理院) https://www.gsi.go.jp/sokuchi/hyoko_videos/pdf/53_07.pdf
▽全国の標高成果の改定に関するQ&A(国土交通省国土地理院) https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/hyoko2024rev-QA.html
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