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アルテミスUが近日中に打ち上げ予定
令和8年3月19日
1972年のアポロ17号を最後に、半世紀もの間、人類は月に立つことがありませんでしたが、再び月面に降り立つ日が近づきつつあります。
NASAでは、再び月面へ再び人類を送る「アルテミス計画」を段階的に進めており、2027年後半には再び有人月面着陸が予定されていました。しかし、今年2月27日に、これまで予定されていたミッション構成を見直し、有人月面着陸をアルテミスVからアルテミスWへ先送りにするなど、計画全体に大きな変更を加えるとNASAから発表がありました。
今回は、アルテミスUの現状とともに、変更後の計画についてご紹介します。
アルテミス計画とは
アルテミス計画は、人類が月に到達するだけではなく、持続的な探査活動を行うための基盤整備を目的とした大規模プロジェクトです。使用されるのは、新型ロケット「SLS」と有人宇宙船「オリオン」で、月周辺への有人飛行、月周回拠点「ゲートウェイ」の建設、将来的な火星探査へ向けた探査体制の構築など、多段階で構成されています。
こうした取り組みは、アメリカだけでなく日本を含む複数国が関わる国際協力のルール「アルテミス合意」※1のもとで進められています。
アルテミスの由来
アルテミス計画の名称は、ギリシャ神話において月と狩猟を司る女神アルテミスが太陽神アポロンの双子の妹であるという関係性に基づき、かつて太陽神アポロの名を冠したアポロ計画が人類を月へ導いた歴史を受け継ぎながら、その次の世代の探査を象徴する存在として「月の女神」の名が選ばれました。さらに本計画では女性宇宙飛行士を初めて月面に送り出すことが掲げられていることから、女性神であるアルテミスの名は多様性を重んじる現代的な価値観とも調和しているといえます。
また、同計画で用いられるオリオン宇宙船も、名前の由来をギリシャ神話にもちます。夜空でひときわ存在感を放つオリオン座は、古くから航海者が方角を知るために頼りにしてきた道標の星座として知られ、人類が再び宇宙へ航海していく計画を象徴する名前として相応しいものとされました。また、この星座の背景にある神話では、狩人オリオンが月の女神アルテミスと関わりを持つ存在として語られることもあり、アポロ計画からアルテミス計画へ続く名称体系の中で、自然なつながりを生んでいる点も選ばれた理由の一つです。
アルテミスUの計画修正と現在の位置づけ
アルテミスUの打ち上げは、アルテミス計画で最初の有人ミッションであり、宇宙飛行士4名がオリオン宇宙船に搭乗して月周辺まで飛行し、地球へ戻る計画です。月面には着陸せず、生命維持装置や通信のテスト、月面着陸のためのデータ収集などを目的としており、「有人で月まで往復できるかどうか」を確認する試験飛行として位置付けられています。
当初は2026年2月以降の打ち上げを予定されていましたが、直前に実施した燃料充填試験(ウェット・ドレス・リハーサル)にて、燃料の漏洩や供給系統に不具合が見つかったため、スケジュールよりも安全を優先する方針の下、延期となりました。3月12日に行われたNASAの記者会見にて、順調に作業が進めば、最短で4月1日にも打ち上げる予定であると発表がありました。
有人月面着陸は2028年を予定
■アルテミスV
2027年に、地球低軌道上で、月着陸船(HLS)などの運用や諸手順の試験が予定されています。月着陸船(HLS)は、SpaceX社の「Starship HLS」および Blue Origin社の「Blue Moon」のいずれか、もしくは両方となる見込みです。
■アルテミスW
計画見直しにより、アルテミスWはアポロ17号以来となる有人月面着陸を担うミッションとして再定義されており、2028年に実施が予定されています。オリオン宇宙船と月着陸船(HLS)を組み合わせた新しい運用方式により、宇宙飛行士が半世紀ぶりに月面へ降り立つことが目標とされ、同時に月面活動の持続運用に向けた基盤整備も見込まれています。また、NASAはアルテミスWの成功を契機に、少なくとも年1回のペースで有人月面着陸を継続する探査体系の確立を目指しており、本ミッションは単なる再訪ではなく、継続的な月探査へ移行する重要な節目となる位置づけです。
地球からアルテミスUを誰でも見守り可能
NASAは、アルテミスUミッションをリアルタイムで追跡できる専用ページとアプリを公開しています。現在は打ち上げ前なので限られた情報しか見られませんが、打ち上げ後は、宇宙船の速度や位置が表示され、地上からミッションを見守ることができます。
アルテミスUが実際に打ち上げられた際には、人類の次の一歩を見守ってみてはいかがでしょうか
▽Track NASA’s Artemis II Mission in Real Time(アメリカ航空宇宙局(NASA))
https://www.nasa.gov/missions/artemis/artemis-2/track-nasas-artemis-ii-mission-in-real-time/
※1
アルテミス合意は、月探査を含む宇宙での活動を国際的に安全かつ調和のとれた形で進めるために、NASA が取りまとめた探査活動の基本原則です。全13章で構成されており、既存の宇宙条約を補う実務的なガイドラインとして、透明性・データ共有・他国活動との競合回避・資源利用のルール化などが示されています。
国際協力を前提とするアルテミス計画では、各国の活動が互いに安全であること、技術や運用を共有しやすい環境を整えることが不可欠です。アルテミス合意は、そのための「共通ルールブック」として位置づけられ、日本を含む多くの国が署名しています。

 

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