こんにちは。いさぼうネット新人調査員のMKです。前回の地盤工学会参加レポートから2回目のレポートです。
今回は、福岡県で行われた
(公社)日本地すべり学会「第61回研究発表会」に参加してきましたので、その様子を報告します。 |
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口頭発表、ポスター発表、新技術紹介(ブース展示)が3年ぶりに対面(現地)メインで行われ、各発表はオンライン(Teams)でライブ配信されていました。
口頭発表の講演数は特別セッション等を含め92件で、ポスター発表は45件、新技術紹介には23機関がブースを出展していました。(コロナ禍前の2019年度は口頭発表が87件、ポスター発表が51件だったようです。)
主なセッションは以下のとおりです。
主なセッション |
総セッション数 |
事例報告(地下水排除工の効果予測と評価、CIMの応用 等) |
5 |
対策・施設維持管理 |
2 |
斜面安定(地震と地すべり 等) |
2 |
地すべり調査・計測 |
3 |
地すべり機構 |
3 |
特別セッション等(海外と日本の斜面対策技術の違い、近年の集中的な降雨による斜面災害 等) |
5 |
わたしは、「事例報告(4) CIMの応用」と「事例報告(5)」、「地すべり機構(1)」、「地すべり機構(2)」の4セッションを聴講しました。(計17本)
聴講した中でわたしが気になった発表の内容は以下のとおりです。
●土層強度検査棒による3Dモデルの作成
【わたしは何度か3Dモデルを作成したことがあるので、発表の作成方法が気になりました。】
●岩盤地すべりの特徴
【地すべり地点のボーリングをしたら、地すべりの部分に崩壊した層があったということで、当たり前なのかもしれませんが、わたしにとって新たな知識でした。】
●GNSSによる地すべり観測
【基準点を変えると各地点の移動方向が変わるということが個人的には不思議でした。】
●地下水の臨界水位と変位の関係性
【関係図の領域によって、地すべりの安全性が分かることに驚きました。】
●地質ごとの表層崩壊の水文過程
【地質による共通点と異なる点の比較が、聴いていて分かりやすかったです。】
●火山の熱による山体崩壊
【崩壊の要因が水蒸気爆発や地震などの他に、火山の熱も要因になっているということで、わたしは崩壊の要因に熱も関係することを全く知らず、想像もしていなかったので、興味深く思いました。】
最後に、現地の様子についてお伝えします。
口頭発表(2会場)とポスター発表・新技術紹介(1会場)の全3会場で行われ、各会場の出入口付近やエレベーター前など各所にアルコール消毒液が設置されており、ポスター発表・新技術紹介会場の出入口付近には検温器(手に持って使用するタイプ)が4台ほど置いてありました。
口頭発表は2会場が隣り合っていたのですぐに移動でき、発表時間にも余裕があったようで慌ただしさも無く、落ち着いた雰囲気でした。会場内には椅子が200脚以上設置され、わたしが参加したセッションでは、会場の席は5〜6割ほど埋まっている印象でした。
質疑応答は、会場の聴講者にスタッフがマイクを渡してから発言していました。オンラインの聴講者からの質疑はチャット機能にて受け付けることになっていましたが、わたしの参加したセッションではオンラインからの質問は無かったため、どのように行われるかは分かりませんでした。
質疑応答では先生方が興味を持たれた点や違和感のあった点などに対して質問や意見を述べられていました。また多くの方が挙手されて質疑の時間が足りない発表もありました。
ポスター発表・新技術紹介の会場は、新技術紹介の出展が壁側に並び、その奥にポスターが等間隔に掲示してありました。会場では、各ポスターの前に立ち、ポスターを見ながら話し合いをしている方が多くいらっしゃるように見受けられました。
出展スペースの中央と、ポスター掲示スペースの周りに机が数台あり、さらにその周囲を壁に沿うように椅子が等間隔に設置され、休憩など自由に利用できるようになっていました。机の利用者の中には、ポスター発表コアタイム(オンライン参加者との質疑応答のような時間)の対応をしている様子の方もいらっしゃいました。
会場の施設内に自動販売機と休憩できるスペースがありました。自動販売機にはお菓子も数種類ありました。
多くの発表を聴くことができたので、研究発表会に参加することができてよかったと思います。知識が浅く理解しきれなかった部分はありましたが、聴くだけでも勉強になるので、今後も色々な発表を聴きたいと思いました。
以上で報告を終わります。
