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災害情報

2007年能登半島地震の関連情報

掲載日:2007/04/05

現地レポート
石川県在住のいさぼうネット会員でもあり、30数年のベテラン地質屋Yさんの現地レポートです。

昨日(4月2日)少し暇を作って輪島市門前町の活断層の続きを見てきました。

中野屋の道路は、もうアスファルト復旧が行われ、断層のずれ自体は不明となりました。

しかし、山側の側溝のBFに新しい亀裂が入り圧縮されたことを示していました。

延長部の民家のある部分には変状は確認できませんでした。

川側にはコンクリート壁に亀裂が入り、やはり右ずれの変位(約3p)が見られました。一方対岸には対応する変位は見つかりませんでした。

 


中野屋の道路変位

山側の側溝亀裂

中野屋の川沿い 左岸の変位
 

道路の変位と川のコンクリートの亀裂も直線上にあるのではなく、少しずれています。

濁川の右岸側を隈無く探して延長部を探しましたが、はっきりしたものは確認できませんでした。

ただし、林道沿いに断層に平行する方向に段差亀裂が確認されました。しかし、林道の切り盛り境でもあるので、断層による変位かどうかはよく分かりませんでした。

 

引き返して安代原に行きました。

浅生田と安代原は地すべり調査を1年だけ担当したところなので、久しぶりに訪ねることになりました。

浅生田と大町の間には道路にすべりに伴う変状がたくさんありましたが、道路を横断する断層に沿ったものは見つかりませんでした。

安代原に入ると、少し様子が違っていました。すべりに伴う変位ではなく、圧縮に伴うアスファルトの盛り上がりがあちこちにありました。

よく見ると、よく分からなくなると言う不規則で不連続な変位でした。

地震による変位を上回る地すべり土塊の変位が本当の変位を隠してしまったように見えます。

地すべりの変位は頭部に集中しており、沢の末端部までは及んでいない感じでした。

これから梅雨にかけて次第に移動範囲が広がっていく可能性があります。頭部にあれだけ亀裂が入っていますから地表水が地下へ浸透する形となります。

安代原地すべり地全体の中を活断層が通り、揺さぶられたすべり土塊があちこちでぶつかり合い舗装の盛り上がりとなったように思えました。

安代原の対岸西側の林道を走りましたが、林道を切る変位はありませんでした。崩壊地が林道を塞いでいたため、それより奥 北側には行けませんでした。

門前町和田に抜ける新しい林道沿いにたぶん断層に伴うと思われる変状がありました。


和田の林道全景

和田の林道  左ずれ

さらに和田に近づくと新しい立派な林道があり、これにも道路を横断する変位が見られました。

しかし、ここの変位は左ずれ4pほどで、方向は中野屋安代原を繋ぐ方向ですが、変位は逆方向でした。

その前後の林道には横断するような変位はありませんでした。

今回確認はした変位の延長部が勝田方向へ抜けて、八ヶ川沿いに海へ続く感じですね。

川沿いはいろんな変状が重なっているので断層の変位との区別は難しいように思えました。

それは、研究者にお任せるしかありませんが、海の中では1m近い変位も終端部では数pから数mmとなるようで、この延長に輪島があるようです。

地形図や写真からも一応リニアメントに沿った変位のようで、普段やっている地形の解析はそれなりに有効なものと感じました。

安代原を見ていると、地震は直接地すべりに関係しない場合でも、頭部に亀裂が多く発生することで、地すべりを活動化させ、長いスケールで見た場合には地すべりを引き起こすようですね。

桐谷の地すべりも安政の大地震とは少し時期がずれていますが、タイムラグを置いて発生しているようです。

短期的な対策とともに、長期的な観点からの対応も考えておく必要があるようです。

(レポート:石川県・地質屋Yさん)

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