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災害ミニ知識

風速と感覚と被害

2004年9月

 自然災害を引き起こす最大ともいえる自然現象として「台風」があります。 防災技術者としては、現場で現在どのくらいの風速の風が吹いているのか?またそれだと被害がどの程度なのかを的確に把握している必要があります。

 ここでは台風と風速について簡単にまとめた表を作成しましたので参考としてください。

 

 下表は風速の目安です。台風18号(2004年)では広島で最大瞬間風速60m/s 以上を記録しています。
いかにすごいことかわかるでしょう。

風速(秒速)と被害の目安
10m/s 樹木が激しく揺れ、電線などがぴゅうぴゅうと鳴る。雨傘が壊される。
15m/s 取り付けの悪い看板が飛ぶことがある。
20m/s 身体を60度くらいに傾けないと立っていられない。
子供は飛ばされそうになる。
25m/s 屋根瓦が飛ばされる。樹木が折れる。煙突が倒れる。
30m/s 雨戸または屋根が飛ばされることがある。しっかりしていない家が倒れる。
電柱が倒れることがある。
35m/s 自動車や列車の客車が倒れることがある
40m/s 身体を45度に傾けないと倒れる。小石が飛ぶ。
50m/s たいていの木造家屋が倒れる。樹木は根こそぎになる
60m/s 鉄塔が曲がることがある。

(引用:東京大学大学院情報学環・学際情報学府 廣井研究室)  

 ここで台風についてまとめてみます。まず台風の強さは中心付近の最大風速と気圧で表します。
 単位はhp(ヘクトパスカル)です。

弱い台風 風速17.2〜25m/s未満・990hp以上
並みの台風 風速25〜33m/s未満・950〜989hp
強い台風 風速33〜45m/s未満・930〜959hp
非常に強い台風 風速45〜55m/s未満・900〜929hp
猛烈な台風 風速50m/s以上・900hp未満

★ヘクトパスカル★
ヘクトパスカルは気圧を表す単位です。以前日本ではミリパール(mb)を使っていましたが、1992年12月1日から国際単位系(SI単位)のヘクトパスカルに変わりました。ヘクトパスカルはミリバールと同じ意味で、表示だけの変更です。
 パスカルの語源である、「人間は考える葦である」と言ったブレーズ・パスカル(1623年〜1663年)は、フランスの哲学者であり優れた自然科学者です。大気圧の存在をはじめて実証的な方法で示した人でもあります。圧力の伝わり方に関する「パスカルの原理」を発見したことでも知られています。こうした気圧、圧力の概念確立に貢献したパスカルの業績を称えて、1971年から圧力の単位としてパスカル(Pa)を使うようになりました。ヘクトはヘクタールなどでも使われるように100倍という意味です。1ヘクトパスカルは100パスカルです。それまではニュートン毎平方メートル等と表していました。

 また台風の規模(大きさ)は、暴風域の広さで表します。

大型の台風 風速15m/s以上の暴風域が半径500km〜800km
超大型の台風 風速15m以上の暴風域が半径800km以上

★台風★
 台風とは、日付変更線(東経180度)より西の太平洋、南シナ海で生まれた熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が17.2m/s以上のものを台風と呼びます。
 台風は、英語でtyphoon(タイフーン)と書き、台湾のほうから来る嵐を意味する中国語を、アラビア人がヨーロッパに伝えた言葉で、日本語では「大風」または「颱風」から「台風」と書かれるようになったといわれています。
 東経180度以東ではhurricane(ハリケーン)と呼びます。語源は南米インディオの「風の神」に由来。インド洋で発生したものはcyclone(サイクロン)と呼ばれます。サイクル(旋回)を意味するギリシャ語に由来するといわれています。また、オーストラリア周辺のものはwilly-willy(ウィリィウィリィ)と呼んでいます。これは「どうしようもないやつ」の意味からきているようです。

 

<関連ページ>
最大瞬間風速105メートルの世界 (平成25年台風第30号)
台風とは (台風の一生・大きさと強さ・台風の番号と名前・ハリケーンと台風)

 

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