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いさぼうネットのメールマガジン(2月15日付)でもお伝えしたように、今年の2月2日に,国土交通省から建設工事事故データベース[1]が公開されました。この建設工事事故データベースを数回に渡って分析してみようと思います。本来は、分析前に目的を細かく設定する必要がありますが、今回は事故の傾向をザックリと確認することを目的とします。
まずは、国土交通省のサイトから建設工事事故データベース(エクセルファイル)をダウンロードして、中身を見てみましょう。報告件数は1,564件で、工事分野や事故分類など様々な項目が記載されています。サーっと全体を見てみると、自由記述の項目では一部空欄になっている報告もあります。中には、分析で重要になりそうな「事故に至る経緯と事故の状況」、「事故の要因(背景も含む)」と「事故発生後の対策」が全て空白の報告もあります。
表1に、建設工事事故データベースに記載されている項目を示します。国交省のサイトには概要と利用規約に関するPDFもあり、このPDFの【参考】には各項目のコード表が記載されています。
| 項目 | 備考 |
|---|---|
| 工事分野 | 20種類(コード表より) |
| 工事の種類 | 23種類(コード表より) |
| 工種 | 77種類(コード表より) |
| 工法・形式名 | 自由記述 |
| 災害分類 | 自由記述 |
| 事故分類 | 13種類(コード表より) |
| 天候 | 自由記述 |
| 事故発生年・月・時間 | 自由記述 |
| 事故発生場所(都道府県) | 自由記述 |
| 事故に至る経緯と事故の状況 | 自由記述(長文) |
| 事故の要因(背景も含む) | 自由記述(長文) |
| 事故発生後の対策 | 自由記述(長文) |
今回はコード表に種類が記載されている項目(工事分野、工事の種類、工種、事故分類)を分析してみたいと思います。自由記述の項目を絡めた分析は、次回以降、複数回に渡ってご紹介する予定です。
はじめに、4項目のヒストグラムを見てみましょう。図1に、項目毎のヒストグラムを示します。ここではトップ10となる種類をヒストグラム化しています。工事分野と工事の種類では、それぞれ「道路」と「土木一式」が飛びぬけています。工種では、「その他土木一式工事」が最も多いですが、具体的ではないので、自由記述の項目を参照する必要があります。事故分類に関しては、「墜落」と「その他」が多くなりました。



図1 4項目のヒストグラム
次に、工事分野でトップ3である「道路」、「河川」と「砂防・地滑り」のそれぞれにおいて、工種と事故分類がどのようになっているかを見てみましょう。表2〜4に、各工事分野における工種と事故分類を示します。ここでも、トップ10を表にしました。なお、工種と事故分類を1つの表にまとめていますが、これらの関係性はなく、独立して集計しています。
| 工種 | 事故分類 | ||
|---|---|---|---|
| その他土木一式工事 | 209 | その他 | 173 |
| 維持修繕工事 | 135 | 建設機械等の転倒、下敷、接触、衝突等 | 138 |
| コンクリート構造物工事 | 83 | 墜落 | 131 |
| アスファルト舗装工事 | 78 | 自動車の転倒、下敷、接触、衝突等 | 76 |
| トンネル工事 | 49 | 工具等取り扱い | 75 |
| 鋼橋上部工事 | 26 | 飛来、落下 | 62 |
| 法面工事 | 24 | 取扱運搬等 | 36 |
| PC橋上部工事 | 18 | クレーン等の転倒、下敷、接触、衝突等 | 27 |
| 護岸工事 | 15 | 倒壊 | 11 |
| 水路・管路工事 | 14 | 土砂崩壊 | 6 |
| 工種 | 事故分類 | ||
|---|---|---|---|
| 護岸工事 | 113 | 建設機械等の転倒、下敷、接触、衝突等 | 84 |
| 維持修繕工事 | 61 | 墜落 | 56 |
| その他土木一式工事 | 49 | その他 | 54 |
| 築堤工事 | 34 | 自動車の転倒、下敷、接触、衝突等 | 43 |
| 浚渫・床堀工事 | 16 | 工具等取り扱い | 31 |
| 樋門・樋管工事 | 10 | 飛来、落下 | 31 |
| ダム工事 (高さ15m未満を除く) |
8 | 取扱運搬等 | 14 |
| コンクリート構造物工事 | 8 | クレーン等の転倒、下敷、接触、衝突等 | 10 |
| トンネル工事 | 7 | 倒壊 | 9 |
| 土工事 | 4 | 土砂崩壊 | 2 |
| 工種 | 事故分類 | ||
|---|---|---|---|
| 砂防工事 | 75 | 墜落 | 42 |
| 法面工事 | 14 | 建設機械等の転倒、下敷、接触、衝突等 | 18 |
| その他土木一式工事 | 13 | その他 | 16 |
| 地滑り防止工事 | 3 | 工具等取り扱い | 12 |
| その他のとび・土工・コンクリート工事 (その他のとび、コンクリート等工事) |
2 | 土砂崩壊 | 9 |
| 維持修繕工事 | 2 | 飛来、落下 | 9 |
| 護岸工事 | 2 | 自動車の転倒、下敷、接触、衝突等 | 9 |
| 根固・水制工事 | 2 | 取扱運搬等 | 4 |
| 土工事 | 1 | 爆発、火災等 | 2 |
| 現場杭打等工事 | 1 | クレーン等の転倒、下敷、接触、衝突等 | 1 |
事故分野「道路」では具体的でない「その他土木一式工事」と「その他」が最も多いので、詳細を知るには自由記述を分析する必要がありそうです。事故分類を見てみると、建設機械、自動車やクレーンなどの事故が多くの割合を占めているように感じます。「河川」においては、「護岸工事」での事故が多く、建設機械に関する事故が多いです。「砂防・地滑り」では、「砂防工事」と「墜落」が多いです。「墜落」のイメージがイマイチ掴めなかったため、自由記述の「事故に至る経緯と事故の状況」を簡単に見てみると、踏み外しや転落などの事故でした。
今回は、建設工事事故データベースの4項目について見てみました。次回は自由記述の部分を含めて分析をしていこうと思います。皆様、事故にはくれぐれもお気お付けください。

