最近ではほとんどのスマートフォンにGPSが搭載されています。
また、デジタルカメラもGPS付を使用している方が多いかと思います。
これらのGPS機能を十分、生かしきれていますでしょうか?GPSによる位置情報が付加されたデータは、一種のGISデータといえます。
今回、これらの機器を上手に使いこなして、現地調査を手助けしてくれる便利なソフトウエアを紹介したいと思います。
−ジオタグとは−
“ジオタグ”とは、主に写真データに付加される追加情報(タグ)で、緯度や経度といった位置情報もこれにあたります。
GPS機能付のデジカメやスマートフォンで撮影した写真には、位置情報や撮影方向といった情報が自動で付加されています。
また、パソコンのソフトウエアで、ジオタグを後づけしたり、修正したりすることもできます。
地図サービスと組み合わせることで、「どこで撮影したか」をあとから簡単に確認できます。
一方で、スマートフォンで撮影した写真をSNS等にアップした場合、第三者に撮影場所が特定されてしまうといった問題も生じています。
デジタルカメラの写真の保存にはExif2.2と呼ばれる規格が使われています。
写真ファイル(jpeg等)を右クリックし、【プロパティ】-【詳細】にて確認することができます。
写真ビューワーソフトでは、これらの位置情報を元に、GoogleMap等のデジタル地図上に撮影位置を表示する機能をもったものが多数あります。
写真の撮影位置を確認したい場合には、下記のようなビューワーソフトで十分と言えます。

Google Mapで表示−“OLYMPUS Viewer3”を使用

Google earthでの表示−“画像ビューアSky-eye”を使用
−Exif情報の編集−
ここからは、さらに一歩踏み込んだExif情報の管理について紹介します。
GPS付のデジカメでは、カメラを起動した直後は、十分な数のGPSを補足できないため、位置情報がうまく取得できていないケースがあります。
気の早い筆者は、しばしばこのミスに陥ります(位置座標が例のごとく西アジアに飛びます・・・)。
また、山地部では、上空の開度が狭いため、GPSの精度が悪く、位置ズレしている場合もあります。
このようなケースでは、地図上で位置を修正できて、かつ元データのExif情報を更新してくれる機能をもったソフトが便利です。
いくつか、筆者が使用しているソフトを紹介します。
【JpgMAP】
“JpgMAP”は、写真撮影時の緯度経度、方位、住所の表示や複数同時の地図表示ができるビューアーです。
ジオタグの編集や新規追加、レイアウト自在の地図入り印刷ができ、ジオタグによる写真検索やファイル名一括変更、ファイル操作などの機能があります。
写真の撮影位置および撮影方向も地図上に表示でき、かつドロップアンドラッグで修正できる点が気に入ってます。

“JpgMAP”を使用 http://www.cpslabo.com/jpgmap/
【画像位置情報取得ツール】
“画像位置情報取得ツール”は、写真の位置情報を地図で表示するためのフリーソフトです。
撮影位置のマッピングに特化しているため、操作性が非常に良いのが特徴です。Google Maps APIを利用して、緯度、経度から、おおよその住所や標高を取得でき、一覧データをCSV出力することが可能です。
写真撮影位置からGISの点データを生成するようなケースでは、大変重宝するソフトです。

“画像位置情報取得ツール”を使用 http://www.osadasoft.com/
【カシミール3D-デジカメプラグイン】
カシミール3Dは多彩な機能を持つ地図ブラウザです。
利用されたことのある方も多いと思います。
筆者も学生時代より、長く愛用させていただいております。
昨年11月に、地理院基盤地図情報5mメッシュに対応した「スーパー地形」を公開し、その魅力がさらにアップしました。
プラグインの1つに、デジカメプラグインがあります。
デジカメプラグインでは、地図上で写真位置の修正をはじめとしたExif情報の編集や、画像の簡単な編集機能を備えています。
トラックデータを参照して撮影情報を修正することもできます。
地理院メッシュデータより撮影位置の標高を付加することも可能となっています。
「スーパー地図セット」を導入することで、精巧な断面図描画も可能となりました。
使い方次第で、現地調査を強力にサポートするソフトウエアといえます。

“カシミール3D”を使用 http://www.kashmir3d.com/
−トラックデータを活用する−
現地調査結果を整理する際には、GPSログを記録したトラックデータをうまく活用したいものです。
特に詳細な地形図のない斜面調査では、崩壊箇所や落石源を特定する上でとても有効です。
最近では、専用のGPSロガーがなくても、スマートフォンのGPS機能とアプリを用いることで、GPSロガーと同等以上のログを記録することができるようになっています。
ここでは、2つのスマートフォンアプリを紹介します。
【ジオグラフィカ】
登山用GPSのアプリの老舗で、iPhoneおよびAndroidとも対応しています。
特徴は事前に地図を表示しておけば自動的にアプリ内に保存されるため、携帯圏外の山奥でも地図表示が可能なことです。
国土地理院の標準地図や航空写真、OpenStreetMap、GoogleMapなどを表示できます。
トラックログの記録、地点の登録、音声案内など、さまざまな機能を備えています。
トラックログは、GPX形式、KML形式でエクスポート可能なため、GISソフトやGoogleMapにも簡単に取り込むことができます。
バッテリー消費量が少ないことも特徴です。
機内モードで使用した場合、満充電だと10時間以上は保ちます。
インストール無料、一部機能制限有りでトラックを6回以上記録したい場合はアプリ内課金となっています。

“ジオグラフィカ”を使用 http://geographica.biz/
【スーパー地形】
先に紹介しましたカシミール3DのiPhone/iPad版アプリです。
圧倒的な地形表現を現場に持ち出すことが可能となりました。
4/1に公開されたばかりです。
カシミール3Dで使える「スーパー地形データ」がそのままスマホで使えます。
GPSログ機能も備えており、カシミール3Dとのトラックデータのやりとりが可能です。
記録したトラックデータからは、自動で断面図が描画されます。
ただし、GPSで取得した標高値は一般に誤差が大きいためそのままでは使用できないケースが多いです。
本アプリでは、メッシュ標高データに一括で書き換える機能が付属しており、これがとても便利です。
断面図作成機能も備えており、スマホ上で任意の点を選択するだけで、断面図を確認できます。
オフライン対応の一括ダウンロード機能も搭載しており、携帯圏外でも問題なく使えます。
最初にインストールから3日間はすべての機能が使用可能、3日経過後は、一部の機能がアプリ内課金となっています。
カシミール3DとGPSロガーを組み合わせた使用と比べて、データ連携も含め、格段に使い勝手が良くなりました。
なにより、地形を現場でよりわかりやすく理解できることは、土木技術者にとってもありがたいことです。

“スーパー地形”を使用 http://www.kashmir3d.com/online/superdemapp/
いかがでしたでしょうか。
今回はGPSによる位置データを活用するソフトウエアやスマートフォンアプリを紹介しました。
必ずしも、土木専用ではありませんが、使い方次第で仕事効率化の手助けになるのではないでしょうか。