令和7年10月16日
第3話 「鶏を飼う‐2」
今までそんなに食べなかった卵を毎日食べるとなると案外大変です。寒い時は味噌汁に卵を落として食べ、夜は鶏肉、三つ葉、ちくわ、シイタケなどを小さく切って冷凍しておいたものを入れ、卵とだし汁を合わせた汁を茶わんに注ぎ、蒸して茶わん蒸しを作る。普通は卵焼きか半熟にするのが難しい目玉焼きですがフライパンのフタをして黄身が白くなりだしたら火を止めて待つと旨い半熟が完成します。玉ネギやキノコなど、冷蔵庫にあるものを切って作るオムレツは熱々に辛いケチャップをつけるのが好みです。
毎日卵を産んでくれる鶏はコスパが良いのですが、数が多いと餌代や卵の消化に苦労します。これから飼おうと思う人は自分の食べる量を考えて決める事をおすすめします。
鶏を飼うと決めて年末に農協に申し込むと家に届くまでに半年はかかります。
2023年は5月に来る鶏たちの小屋が必要でしたので、設計図と材料を手配して始めましたが柱を組み立てるには相方が居ない大工は大変です。どうやるか、工夫するのに手間がかかってしまい、農作業が始まる時期でもあり、細部はできませんでしたが鶏が来る直前に1か月近くかかり完成しました。
5月の下旬に待ちに待ったホワイトレグホンの雄1、雌3の4羽の中雛が到着しました。鶏は中雛くらいに成長しないと雌、雄の区分ができないそうです。写真のトサカが発達しているのが雄でトサカがなければ分かりません。
我が家では何十年(半世紀?)ぶりの鶏たちとの同居で「かわいいな〜」と育てましたが、見分けがつかない雌は不便だと、足輪を付けたりしましたが、足輪は外れ、見分けはうまくできませんでした。
鶏は餌を撒いておくと一度に全部は食べません。もう食べないのかと思うと、また来て食べます。他の物を食べて味変ではないだろうが理由は分かりません。習性なのか?飽き性なのか?
放し飼いの鶏に手から餌を良く食べさせました。飛んで餌を食べに来る者や用心深く食べに来る者がいます。争って食べるので注意しないと手を突かれます。鶏は慣れると餌入りのペットボトルを振るだけで駆けつけてきて、ボトルに飛びつき、体にも飛び乗って餌をくれと要求します。餌付けをして慣れてくると、写真のように我が家の玄関を占領して居眠りをしています。かわいいものです。二度目の鶏たちは餌づけをあまりしなかったので寄って来ません。最初の教育が肝心のようです。
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いつも一緒に餌探し
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玄関の式台を占領し居眠り
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鶏は鷹やカラスなどに上から襲われないように縁の下や低木の下で休みます。玄関で寝るのもそのためでしょう。鶏は驚くほど砂浴びが好きです。小屋では腐葉土などの混ざった土を5cmくらい掘り、下半身(腹)を入れ、砂や土を体中に浴びて「うっとり」して休みます。起き上がるときはブル・ブルンと体を振って土を落としてからくちばしで羽の手入れをします。放し飼いの時の砂浴び場所のお気に入りは、少し日の当たる乾いた縁下で、いつも同じ所が多いです。庭では日光浴もやります、横座りのような変な格好で、一見ぐったりして病気かと思うと寝ています。
鶏は1mくらいの台には簡単に飛び上がります。何かに襲われそうになった時は足掛かりがあれば2m以上ある小屋の屋根まで飛び上がります。
大きくなると捕まえるのは難しく、急に出かける時などは困りますので小屋に戻す場合を考えて、小屋の横の草地をネットで囲い平飼いしたら1週間で雑草はなくなり、地面を掘り返し裸地になってしまいました。
我が家の周りには狸やハクビシンがいて、時には野良猫やニホンカモシカなどの獣が来ます。鶏は放し飼いが基本ですが出かける時は危ないので小屋に入れます。
獣が鶏小屋に近い畑のナスやキュウリ、メロンなどを食べるので野菜のところにトラバサミを設置しています。あるときバッタなどの虫を追っていた雌が足を挟まれ、外すと足を引きずって歩きます。どうやら骨折したようなので、傷口を消毒し足に割りばしで添え木をつくり、ビニールテープで固定してやりました。3週間くらいしたら元気に飛び回っています。治るのだと感心しました。トラバサミは撤去しました。
家の周りで狸が集会