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いさぼうコラム
田舎の技術屋爺

令和7年11月13日

第4話 「食い物の話2―夏から秋」

 甘いものは虎屋のおもかげ、異常に辛いハバネロなどを除き辛い唐辛子が好きでなんでも料理を辛くする傾向があります。
 八月のお盆の頃にとれるミョウガは天候によって早くなったり遅くなったりしますが、出るのを「今か今か」と待ち、旬のユウガオ・ナス・ジャガイモを油で軽く炒めて、油揚げ、シソの葉を加え、醤油、砂糖、酒で味付けた煮物が夏の野菜料理の定番です。この時期には週に一回以上は作って食べます。また、ユウガオ、なす、ミョウガをたっぷり入れた味噌汁を作りますがこのみそ汁は冷たくなってもおいしく暑い夏に向いています。

 ユウガオ(夕顔)を知らない人が多いかもしれませんがカンピョウを作る野菜です。売っているかんぴょうの90%以上が栃木の丸ユウガオから作られるそうです。私の田舎は棚などで長ユウガオを栽培し、柔らかくて若い内に食用にします。冬瓜みたいで味がなく煮物に合います。採れすぎた時は細長く切って、天日に干してカンピョウを作ります。干したかんぴょうは時々水で戻してから砂糖と醤油で甘辛く煮て、すし飯に混ぜたり、そのまま食べたりします。

長ユウガオ かんぴょう作り
長ユウガオ
かんぴょう作り

 ミョウガは家の周りに自生していて、雨が降ると出始めますが、「出たか・出たか」と最初は手で地面をさするようにして探して小さいのを採りはじめます。そのうち食べきれないぐらい大量に採れますが最初の硬いのが香りも良いです。花が咲くと味も風味も落ちますので、その前に採り、冷蔵庫や酢漬けにして保存したり、細かく切って冷凍にして薬味などに使います。  秋が近くなり夏野菜類の終わる頃になると忙しくなります。
神楽南蛮、秋ミョウガ、シソの実などの採れる野菜で保存食などを作るのです。
他県ではあまり見かけない神楽南蛮はピーマンに似ている辛い唐辛子、新潟県では良く作っています。
 焼いて醤油をかけて食べると食べ応えがあり、ピザにのせると辛さを楽しめますが、ピーマンと思って食べると辛くてヒーヒー言います。細長く切って冷凍にして色々な料理に少し辛みを加えるのに便利です。
 そのころ採れるシソの実は塩分濃度を10%ぐらいにして保存用の塩漬けを作ります。  このシソの実はご飯に混ぜたり、おにぎりに入れたり、餅を搗くときに混ぜたりしますが実を噛むとプチプチという音と口の中に広がる香りが好きです。

神楽南蛮
神楽南蛮
秋ミョウガ
秋ミョウガ

 夏のミョウガが終わってから採れる秋ミョウガがあり近所から貰い、神楽南蛮とショウガを細かく刻んで、塩漬けしたシソの実を混ぜてから、一晩重しをしたヤタラ漬け(我が家の命名)なる塩漬けを瓶詰にします。ご飯や酒の友にしますが、おにぎりなどに入れると少し辛い風味が何とも言えません。
 舐め味噌も作ります。神楽南蛮を刻んで少し油でいためたところにくるみの砕いたものと味噌を入れて軽く油で炒め、みりんと砂糖で味付けした甘辛い味噌です。熱いうちにビンに詰めて保存し、餅やおにぎりに塗って焼いて食べると甘辛くて香ばしい匂いが食欲をそそります。アルミ箔にこの味噌を乗せ焼いた物を舐めながら酒を飲み、ご飯にのせて食べたりします。来年はシソの最盛期に葉でシソ巻にして揚げて食べたてみようと考えています。

 これらの保存食作りが終わると山ぶどうが食べごろとなります。毎日つまんで甘さを確認して甘くなったところでジャムにします。  自然の山ぶどうを見たことがありますか?
 熊の出るような山奥の日当たりが良く、2度と行くことがないような場所に良くあります。だいたい、山で見つけても収穫にはまだ早いことが多く、酸っぱいのを採ってリュックに詰めて持って帰ります。
 食いしん坊の私は熟した山ぶどうを食いたい一心で10年以上前に山ぶどうの若木を山形県の朝日村から取り寄せました。
 その時、初めて山ぶどうが雌雄異株である事を知り雌二本、雄一本を取り寄せたのです。山ぶどうの木を見つけても成っていないのが多かった理由がやっと分かりました。
移植して7〜8年後に植えた山ぶどうの収穫ができるようになりました。10月になると甘くなりつまんで食べます。徐々に甘くなる山ぶどうをひと月以上楽しみます。そして暇なときにジャムを作ります。

山ぶどう
山ぶどう

 ジャムは採った実を煮ながら柔らかくして絞り、汁を採ります。今年は山ぶどうのポリフェノールが多い皮や種を入れたものも少し作ってみましたが皮は良いですが種はいけません。ジャム用に絞った残りカスに水を足し、砂糖やはちみつを入れて飲むと旨いジュースができます。

 栽培している山ぶどうは時々つまんで変化する甘酸っぱさを楽しむのが一番です。自然の微妙な味が旨いと思うのですが、時々人に食べさせると旨いとは言いません。昔売っていた硬くて酸っぱいリンゴや硬い甘柿、酸味の強いブドウ等が好きですが最近見かけません。売れないのでしょうが時々食べたくなります。

 久しぶりに晴れた日が続いた10月の下旬にイチョウのひこばえを切っていると、斜面の下に紫に色づいたアケビを見つけました。開いていましたがたくさん成っていて、久しぶりの大収穫です。

アケビ 熟れたアケビ
アケビ
熟れたアケビ

 アケビの果肉(実)はゼリー状のものに包まれ、ほとんどが種ですが口に入れるとほんのりと甘い食べ物です。東北地方では皮を食べるといいますが、ここらでは実だけですので、今度、皮も料理してみようと思います。
 アケビは毎年同じ所に成るのですが、毎日はチェックに行きませんので、次に行くと落ちていることが多いです。自然の食べ物は時期を逸してしまうと1年先まで採れません。

 食い物の話を色々思い出しながら整理していると驚くほど家の周りに自然の食べ物があるのだと気が付きました。自然の食べ物の採取帖でも作って楽しむことができたら最高です。
 雨が多く、寒くなってきたので囲炉裏で火を焚く季節になりました。

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