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いさぼうコラム
田舎の技術屋爺

令和8年2月5日

第6話 「冬支度(雪囲い)」

 新潟の山間部の豪雪地帯に移住してから、冬は雪に囲まれた生活をしています。平地で2〜3mくらい積もり、屋根の下は落雪でその数倍は積もります。冬は家などを囲い雪で壊されたり、押し潰されたりしないようにします。雪の降らない地域に住む人は雪に囲まれた生活(かまくらの中の生活)の冬支度は理解できないと思います。

 最近は小雪だと古老は言っています。確かに、40年くらい前に子供を連れ5月の連休に遊びに来た時は家の裏山から滑り台で遊ばせたような気がしますが、今は3月の下旬には雪がほとんど無くなり、遅くても4月の初旬までにはなくなります。
 冬支度と雪堀が大変なので年寄りや若者達は雪の少ないところに移住して村は過疎となり、共同作業ができなくなって、さらに過疎が進行する悪循環です。山は荒れ、田んぼは無くなり、周辺は狸、キツネ、ハクビシン、熊などの野生動物の天下になりつつあります。

 冬支度はどうしても雪国では必要なのです。写真は雪の降る前に窓に雪板を半分つけた時と雪が降った後の二階まで雪が積もった状態です。雪板をつけないと窓は割れてしまいます。二階の屋根までは地面から5mくらいですが、良く降るときは掘っても、また同じように積もります。春になれば雪は解けるので生活に支障のあるところを対処すればよいのですが、雪次第なので難しいです。

 冬支度は畑の片づけ、農地・農具の整備、薪の小屋入れ、家の窓などを雪板で囲い、庭木や小さな樹木の囲い、冬使う道具(はしご、スコップ)を高いところに上げる等など色々あります。
 ここに移住する前は家を雪板で囲い、外にあるものは家や小屋の中に入れて東京に避難しましたが、移住して果樹を植えたり、小屋を作ったり、鶏を飼ったりすると冬支度が増えてしまいました。

 昔は今みたいに市町村が道を除雪などしてくれません。だから、雪堀するのは家や作業小屋の周りだけです。今、我が家はかやぶきの屋根にトタンをかぶせていますが、昔はほとんどが急こう配(50度前後)のかやぶき屋根でしたので屋根に上って掘ることもなく、雪は屋根から自然落下する様にできていました。

 その代わり屋根の下は、やねからの落雪で周りよりも2〜3倍以上も溜まり、雪堀をしないと二階まで雪に覆われます。除雪しないで雪が屋根まで達すると25cm近い大黒柱のある家がギシギシときしみ、放置すれば変形して、潰れてしまいます。
 今、雪が降ると静かで、トタン屋根からすべり落ちる落雪の「どど〜ん」と言う音がし、夜中には「あ〜、雪が降っている」と分かります。
 昔は屋根の下の除雪はどこの家も家族総出でやりました。除雪する雪は遠くに運ばないと、次に落ちる雪が除雪できないので、木の板(洗い張り板)にろうそくを塗りすべりを良くして、雪を乗せ滑らせたりして、できるだけ遠くに運びました。雪に足を取られて、少しずつ何回も雪を遠くへ、遠くへと運ぶのが重労働でした。
 履く靴は藁沓がほとんどで、長靴を履くことは少なかったと思います。藁沓は案外温かかったのですが雪が入ると冷たく、ついた雪が固まり重くなり、家に帰ると囲炉裏の周りで乾かします。当時の暖房は囲炉裏かコタツだけです。
 積もった雪の冬の外出には「かんじき」が重要な道具です。かんじきは新雪の多く積もった上を歩く時に欠かせないもので、履かないと足がもぐり動けなくなります。

かやぶき屋根の落雪
かやぶき屋根の落雪

 歩くときはかんじきを履き、雪を踏んで道をつけながら歩きました。

かんじき
かんじき
雪が浅い所のかんじきの跡
雪が浅い所のかんじきの跡
新雪が深いとかんじきがもぐります
新雪が深いとかんじきがもぐります

 今、かんじきを履く人はめったに見ません。道は市が除雪して無雪道路ですが、昔は雪が降るとかんじきで雪を踏み固めて、その上を歩いて学校や買い物にいくのです。学校までは2kmくらいありますが、大人達が朝早くからかんじきで道つけをしてくれました。大雪の年は2〜3mくらい積もった雪を踏み固めた道を近所の子供や兄弟に囲まれて歩いて行ったような記憶があります。
 今年は12月の中旬から雪が降りましたが、雪が降る前に農作業の支柱や、ネット、ビニールシートなどを片付け、畑をきれいにしました。
 乾燥させていた薪は集積所から家の中や薪小屋に積み、家の中から取り出せるようにしますが、今年はこの作業が遅れてしました。  毎年困るのが、鉢植え植物(羽衣ジャスミン、オリヅルラン、キンカン)です。日本海側の山間部の冬は太陽があまり照りません、太陽の位置が低く、陽が少しでも多く当たる高いところに置きますが、冬の風が強いときに良く飛んだり、倒れたりするので来年は何か上手い方法を考えようと思います。

薪小屋
薪小屋

 玄関は雪が屋根から落ちるので雪板をはめて閉じます、移住前は二階から出入りしましたが、移住したとき玄関わきに出口を作りました。これは案外便利で来年は拡幅整備するつもりです。
 毎年、作業が完全に出来ないうちに雪やみぞれとなり、雪支度が終わります。日記には「来年は冬支度を早く始める事」と書くのですが、秋になっても暑い日が続いたりすると体力不足もあり、冬支度が終わらないうちに雪が降りだします。

 年寄りはそんなとき「まあ、どうにかなる・・・・」と諦めます。

屋根から多量の雪が落ち、積もります
屋根から多量の雪が落ち、積もります

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