工法特長 |
技術提案項目 |
適用メリット |
概要 |
①アンカーテンドンでの耐久性能の向上 |
・経済性
・安全性
・品質 |
従来技術の50年程度に比べて、耐久性100年の硅砂付着ECFテンドンを使用 |
硅砂付着ECFテンドンは、土木学会JSCE-E141-2018規定のエポキシ樹脂被覆厚0.4mm〜1.2mm(平均厚0.6mm)であり、塩分環境で100年耐久性の十分な防食性能を有する。
従来技術は、劣化しやすいグリースによる耐久性保持である。 |
②頭部支圧板背面側での耐水圧性能の向上 |
・安全性
・品質 |
従来技術のほとんどゼロに比べて、耐水圧性能2.0MPaを確保 |
新しいプレート止水構造の採用により、支圧板内止水ゴムの圧縮型止水になったことで、2.0MPaと高い耐水圧性能を確保できる。
従来技術は、背面止水構造でグリース充填などに応じた耐水圧抵抗なので、密封性と耐水圧性能が劣り、発錆が生じやすい。 |
③頭部構造での耐久性能の向上 |
・経済性
・安全性
・品質 |
従来技術の早期劣化する頭部グリース利用をなくして、密封構造とグリースレス定着具で塩害環境促進試験3600hの防食性能を確保 |
頭部構造のプレート止水構造とOリングの密封性能、およびNiめっきのグリースレス定着具(くさび・アンカーヘッド・ナット)を用いて、長期(3600h)の塩水噴霧試験を行った結果、定着具の発錆がなく、十分な頭部密封性と防食性能が確保できる。
従来技術は、頭部キャップ内がグリース充填であり、5〜10年程度でほとんどが発錆する。グリース交換が必要になる。 |
④アンカー体でのテンドンのグラウト付着強度の向上 |
・安全性 |
従来技術の標準的なものに比べて、付着強度1.5倍に向上 |
従来技術のテンドン(普通PC鋼より線)とグラウトとの付着強度に比べて、強度1.5倍になる。
設計基準強度f’ck=24N/mm2の場合で許容付着強度 τca=1.2N/mm2が使用できる。この効果により、アンカー体でのひび割れが少なくなり、安全性が向上する。 |
⑤過荷重アンカー力の減調整機能の向上 |
・経済性
・安全性 |
減調整機能が従来技術の10〜20mmに比べて1.5倍の30mmに向上したことで、増アンカー対策経済性とアンカー安全性が向上 |
近年の大地震や豪雨などの不測事態による過荷重アンカー力に幅広く対応可能な減調整機能を有したことで、既設アンカーが活用でき、増アンカー対策の必要性が小さくなるので経済性が向上する。
減調整幅が広がり、アンカー力低下が大きくなるので安全性が向上できる。 |
⑥メンテナンス省力化の向上 |
・メンテナンス性 |
従来技術のアンカー頭部調査の労力を90%縮減 |
プレート止水構造とグリースレスの透明キャップにより、従来技術で必要であったアンカー頭部背面調査と頭部詳細調査がなくなったので、頭部調査の作業手間が減り省力化できる。 |
⑦ライフサイクルコスト経済性の向上 |
・経済性 |
建設段階コストと保全段階コストの合計で30%縮減 |
透明キャップ・グリースレス定着具・プレート止水構造という新しい3構造の採用で、保全段階のアンカー調査コストが縮減できることから、建設段階コストを含むライフサイクルコストを縮減できる。 |
⑧頭部処理作業の省力化・施工性の向上 |
・施工性 |
従来技術で必要なグリース充填・交換がなく、かつ、プレート止水構造で背面部作業がないので、省力化と施工性が向上 |
頭部グリース充填や10年毎のグリース交換作業が不要なので省力化できる。プレート止水構造で、作業が難しい支圧板背面部のアンカー孔内でのシース切断や止水ゴム設置がなくなった。
施工の頭部処理工の背面処理0.16日/本がゼロになり、前面処理0.08日/本のみになるので省力化できる。 |
⑨頭部グリースレス化による環境保全のCO2削減効果 |
・環境性 |
頭部グリースレス化(グリース充填のゼロ化)でCO2をグリース単位重量で19.25kgC/kg削減 |
石油製品の頭部グリースのゼロ化で、グリース基油精製に必要な化石燃料利用と劣化グリース廃棄物の焼却がなくなる。
これに伴い、エネルギー消費や地球温暖化の低減に寄与できることから、環境保全のCO2削減に貢献できる。CO2削減効果kgCは、設計供用期間50年で、グリース単位重量の19.25kgC/kgで算出する。 |