国土交通省は7月2日以降発注の業務で、詳細設計業務の図面作成ミスを減らす新たな取り組みを試行します。
その手法は、設計担当者以外の照査技術者が図面を確認する「赤黄チェック」と呼ぶ手法です。当面は直轄事業の100件程度に導入し、効果について受発注者の双方にアンケートを行い、次年度以降の適用拡大につなげるようです。
この赤黄チェックとは何なのでしょうか?平成25年3月25日行われた「調査・設計等分野における品質確保に関する懇談会」では以下のように説明されています。
赤黄チェック |
設計図と設計計算書、設計図と数量計算書、相互の整合について、設計図、設計計算書、数量計算書に赤書きで確認チェックマークを入れ、修正箇所は黄色で消し赤書により訂正(建設コンサルタント協会の「品質向上に係る品質向上推進ガイドライン(GL)」の施策)。設計図不具合の主要因である単純ミス(図面作成ミスデータ入力時の不注意・確認不足)を減らすために有効。 |
照査の確実な実施(単純ミスの防止)は、照査体制を強化し、設計不具合の主要因であるデータ入力時の不注意・確認不足による図面作成ミス(単純ミス)を減らすことを意味します。
そして国交省が受注者に期待する具体的内容は以下の通りです。
詳細設計業務の受注者は、照査について、確認・修正結果を設計図面、設計計算書及び数量計算書に書き込み、それらを残す等、照査の根拠となる資料を示すことができる照査方法で行うこととする。また、成果品納入時における照査報告において、設計図面等における照査の根拠となる資料を示すことができるものを提示する。
また照査については、受注者の責任において実施すべきものであるため、ここでいう「照査結果の根拠資料を示すことができる照査方法」は、受注者の任意の方法とし、発注者は指定していません。ただし、照査方法の具体例として、上記の「赤黄チェック」を参考として挙げているのです。
各コンサルタントは”受注者の任意の方法”を考える必要があります。これによって業務成績評定点も変わりますし、照査技術者の配置やプロポ時の評価も左右することになります。
まずは赤黄チェックの本質的理解ということが大切です。
ちなみに発注時の特記仕様は以下のようになるようです。
第○条成果品の照査
本業務における照査については、受注者の責任において、確実に実施すべきものとし、確認・修正結果を設計図面、設計計算書及び数量計算書に書き込み、それらを残す等、照査の根拠となる資料を示すことができる照査方法も含むものとする。確認・修正結果は成果品として提出の必要はないが、成果品納入時の照査報告の際に発注者に提示するものとする。 |
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