国土交通省が8月21日、令和元年の水害被害額を発表しています。
令和元年の水害被害額(暫定値)は、全国で約2兆1,500億円となり、平成16年の被害額(約2兆200億円)を上回り、1年間の津波以外の水害被害額が統計開始以来最大となりました。
また、津波以外の単一の水害による被害についても、令和元年東日本台風による被害額は約1兆8,600億円となり、平成30年7月豪雨による被害額(約1兆2,150億円)を上回り、統計開始以来最大の被害額となりました。
主な発表は以下の通り。
【1年間の水害被害額の概要】
〇全国約2兆1,500億円 〇都道府県別の水害被害額上位3県は、以下のとおり。
@ 福島県(水害被害額:約6,716億円)
A 栃木県(水害被害額:約2,547億円)
B 宮城県(水害被害額:約2,512億円)
【主要な水害による水害被害額の概要】
○令和元年東日本台風(水害被害額:約1兆8,600億円)
(令和元年10月11日〜10月15日に生じた台風第19号による被害額)
静岡県や関東甲信地方、東北地方を中心に広い範囲で3、6、12、24時間降水量の観測史上1位の値を更新するなど記録的大雨となり、全国142箇所で堤防が決壊するなど、甚大な被害が発生しました。
これらにより、死者84人、行方不明者3人、家屋の全壊約3千棟、半壊約1万8千棟、床上浸水約2万棟、床下浸水約4万棟となりました。
この災害や、平成28年熊本地震、平成29年7月九州北部豪雨、などを踏まえ地震災害や水災害、火山災害など、あらゆる自然災害に対し、国土交通省として総力を挙げて防災・減災に取り組むべく、「国土交通省 防災・減災対策
本部」が設置されたのは、以前のいさぼうニュース(『いさぼう技術ニュース(令和2年2月6日号)』
「国土交通省の防災は事前対策重視に −事前対策は災害復旧の10倍の費用対効果という試算も−」)でご紹介しましたが、
7月6日に第2回本部会議が開催されています。
▽「【令和2年7月6日】「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト〜いのちとくらしをまもる防災減災〜」をとりまとめ」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_007504.html
また会議の資料も公開されています。防災・減災プロジェクトの主要施策は以下としています。
1.あらゆる関係者により流域全体で行う「流域治水」への転換
2.気候変動の影響を反映した治水計画等への見直し
3.防災・減災のためのすまい方や土地利用の推進
4.災害発生時における人流・物流コントロール
5.交通・物流の機能確保のための事前対策
6.安全・安心な避難のための事前の備え
7.インフラ老朽化対策や地域防災力の強化
8.新技術の活用による防災・減災の高度化・迅速化
9.わかりやすい情報発信の推進
10.行政・事業者・国民の活動や取組への防災・減災視点の定着
会議の資料も公開されています、興味深い資料ですので、防災技術者としては一度目を通しておくことをお勧めします。
▽「国土交通省防災・減災対策本部(第2回)会議」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/river/bousai/bousai-gensaihonbu/2kai/index.html
<参考リンク>
▽「【令和2年7月6日】「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト〜いのちとくらしをまもる防災減災〜」をとりまとめ」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_007504.html
▽「国土交通省防災・減災対策本部(第2回)会議」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/river/bousai/bousai-gensaihonbu/2kai/index.html
▽『いさぼう技術ニュース(令和2年2月6日号)』
「国土交通省の防災は事前対策重視に −事前対策は災害復旧の10倍の費用対効果という試算も−」
https://isabou.net/Convenience/isabou_mail/back_number/gijyutu/2020/g20200206.asp
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