令和6年度1級土木施工管理技術検定「第二次検定」の合格者が1月10日に発表となりました。令和6年度は大きな変更点として第一次検定の受験資格が拡大されましたので、試験結果にどのような影響があったのかを過去に公開されたデータを交えて推察してみました。 (変更内容の詳細はページ下部の1年前のいさぼう記事よりご覧ください。)
■第一次検定:受験者大幅増、合格者は前回比1.4倍
上記は、今回を含む過去5回実施された第一次検定の受験者と合格率の推移をまとめたものです。今年度は受験者数が大きく跳ね上がっており、前年比16,282人(1.55倍)増加しています。これは今回から受験年度末時点で19歳以上であれば実務経験や学歴を問わず誰でも一次検定を受験可能になった事が大きな要因と思われます。
合格者数も前年比6,374人(1.4倍)増加しており、令和3年以降の減少傾向に歯止めをかけました。合格者の属性を確認すると、19歳〜24歳の合格者が前年比2,821人(3.67倍、合格者全体の17.1%)と大幅に増加しており、今回の変更にあった受験資格の拡大が大きく影響していると思われます。また、女性の合格者数も前年比1,348人(1.86倍)増加しており、過去10年の最高を更新したとのことです。以上のように一見合格率は昨年より下がっているものの、合格者数は前述の通り増加しているので、建設業界としては喜ばしい結果であったと言えます。
■第二次検定:受験者横ばい、合格者増
こちらは、今回を含む過去5回実施された第二次検定の受験者と合格率の推移をまとめたものです。新制度の受験資格は第一次検定合格後の実務経験が必要となるため、新制度を利用して一次検定を受験した方は合格していても今回は二次検定を受験することができないため、受験者数に第一次検定のような大きな変化は見られません。
問題の変更点に目を向けると、施工経験記述の箇所で、受験者が経験した土木工事1件に対して「工事概要」に加え「安全管理」と「施工計画」の2つのテーマを記述する形式での出題となり、結果的に記述箇所が1つ(8行)増えていました。違いが分かりやすいよう下記に昨年と今年の問題を並べてみました。
施工経験記述問題の形式が変更されたものの、合格率は前回より増加しており、受験者にとっては大きな影響はなかったと思われます。
令和7年度の試験日程は既に公開されており、下記の通りとなります。
- 〇申込受付期間 : 令和7年 3月21日(金) 〜 4月4日(金)
- 〇第一次検定試験日: 令和7年 7月 6日(日)
- 〇第二次検定試験日: 令和7年10月 5日(日)
また、技術検定の受験手数料が見直され、2025年1月1日より下記の通りに変更となっています。
- 【一次検定】従来:10,500円 → 改正後:12,000円
- 【二次検定】従来:10,500円 → 改正後:12,000円
詳細については、下記のページをご覧ください。
▽「令和6年度
1級土木施工管理技術検定「第二次検定」合格発表について」 (一般社団法人全国建設研修センター)
https://www.jctc.jp/kentei/250110d_dty9g8/index.html
▽「令和7年度技術検定のスケジュール等を公表しました〜実施計画を国土交通省HPに掲載〜」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00270.html
こういった状況の中、いさぼうネットでは、より多くの技術者の皆様に1級土木施工管理技士の資格を取得していただく目的で、1級土木施工管理技士の「第一次検定」問題(令和2年〜4年は解説付き)、「第二次検定」の練習問題(約400問)を整備しております。
今回、力及ばず不本意な結果になった方、受験範囲拡大を受けて新たに試験に臨む予定の方はぜひ、いさぼうネットの有料会員に申請をされ、合格への道を歩んでもらえればと思います。
▽資格ゲッター「土木施工管理技士」試験対策ページ
https://isabou.net/education/getter/civil/menu.asp
<関連リンク>
▽「令和6年度以降の土木施工管理技術検定試験問題の見直しについて」(一般社団法人全国建設研修センター) https://www.jctc.jp/kentei/info/kentei20240226_d.pdf
▽「1級土木施工管理技術検定「第二次検定」の合格者が発表されました〜 令和6年度より受検資格や試験問題の方針が変更 〜」(いさぼうネット:
令和6年1月18日公開) https://isabou.net/Convenience/aviso/news_20240118.asp
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