変成岩はもともとは堆積岩や火成岩ですが、ときには変成岩のこともあり、二重あるいはそれ以外の現象を記録していることになります。
変成岩には、分布的に数100kmにもわたる帯状の広い範囲に分布するものと、花崗岩のまわりに限られて分布するものとがあります。広く分布するものは広域変成岩とよばれ、しま模様が発達し、流動したように変形している結晶片岩で特徴づけられます。もっと鉱物の粒が粗くなって花崗岩に似ているが、しま状の構造のある片麻岩もあります。花崗岩のまわりのものは、花崗岩マグマの熱の影響でできたもので、ホルンフェルスとよばれる熱変成岩あるいは接触変成岩です。それには新しくできた変成鉱物が散在しているのが見られますが、広域変成岩と
違ってしま状の方向性は発達していません。
ポイント★★★★ 代表的な変成岩
広域変成岩は帯状にまとまって分布しおり、「〜変成帯」と名づけられていることが多く、日本列島の西日本では日本海側から太平洋側へと、飛騨変成帯、三郡変成帯、領家変成帯、三波川変成帯があり、東日本では阿武隈変成帯や、北海道の神居古潭帯と日高変成帯が知られています。
飛騨や領家や阿武隈変成帯には花崗岩が多く、高温で低圧の条件でできた変成岩からできていると考えられていますが、三郡や三波川や神居古潭変成帯は、高圧で低温の条件下でできた変成岩からできています。高温の変成岩はおそらくマグマの熱の影響によると考えられますが、高圧の変成岩は地下深くに押し込められたためにできたと考えられます。高圧型の変成鉱物は地下数10kmもの深さまで達していたことを示しているので、それはプレートの沈み込みにともなって地下深くまで持ち込まれたのでしょう。高圧型の変成岩は、過去のプレートの沈み込み帯すなわち地質時代の海溝を教えてくれると考えられています。
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