いさぼうネット
賛助会員一覧
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
 シリーズコラム 「社会を支える人工知能」 
【第14回】:[2018年度版]土木分野における人工知能を活用した取り組み
 

 以前に、「土木分野における人工知能を活用した取り組み」と題した記事を掲載しました。この記事から1年程経ち、「土木学会全国大会で見るAIを使った研究の動向」で紹介したように、人工知能の活用が土木分野で活発になってきました。

 そこで、入札ウォッチネットで2018年4月1日〜2019年2月26日を対象とした人工知能を活用する業務を調査してみました。調査は、前回と同様の「人工知能」と「深層学習」で全文検索しました。

 検索の結果、20件(人工知能:19件、深層学習:1件)ヒットしました。前回のヒット数は3件だったため、この1年で人工知能を活用する業務は6倍以上増加したこととなります。

 それでは、今回ヒットした20件の中から3件紹介したいと思います。

AI(人工知能)等を用いた施工計画書自動読み取りに向けた基礎資料作成等業務(国土技術政策総合研究所)
業務内容本業務は、AI 技術を活用した発注者支援ツールの構築に向けて、① AI 技術を活用した標準名称への適合ソフトの作製、② 施工計画書読解による発注者支援ツール作製へ向けた基礎資料作成を行うものである。

 これは、文書や図面などを元にAIで標準的な業務名を付ける業務ではないかと考えられます。文書や図面からキーとなる単語や図を抽出して、それらから業務名を推測するのではないでしょうか。

AI(人工知能)を用いた建設現場の労働生産性データ解析に用いる教師データ整理等業務(国土技術政策総合研究所)
業務内容本業務は、①教師データ等の作成作業、②AI を用いた作業内容の自動判別手順の検討、③現場内小運搬の施工効率分析に向けたデータ整理を行うものである。

 業務内容から察するに、省力化を目指した業務と考えられます。人工知能に与える教師データがどのようなものなのかが気になるところです。
 
平成30年度AIを用いた河川技術開発業務(国土交通省九州地方整備局)
業務内容本業務は、人工知能(AI)を活用した洪水予測・ダム操作支援について検討を行うものである。また、水位・雨量のリアルタイムデータについて、AIにてチェックする技術の検討を行う業務である。

 前回紹介した「平成29年度AIを用いた河川の水位流量予測検討業務」の業務内容と似ているため、この続きの業務でしょうか。今回はリアルタイムデータと記載されているため、洪水予測などをリアルタイムで行うための業務ではないでしょうか。

 入札ウォッチネットで扱っていない機関の入札も調査してみたところ、人工知能を活用した業務をいくつか発見しました。その中から1件紹介します。

山岳トンネル切羽画像データ等の整理・分析業務(土木研究所)
業務内容本業務は,種々の条件のもと撮影された山岳トンネルの切羽画像データ等において,画像データの整理と分析を行い,山岳トンネル坑内環境下で切羽を撮影するにあたり,最も適していると考えられる撮影条件を抽出するものである。さらに,AI等の画像解析技術を用いて山岳トンネルの切羽画像を判定し,岩判定や補助工法の選定を行う場合に最も適していると考えられる撮影条件を抽出するものである。

 地質の専門家が行う作業を切羽画像とAIで試みるために、データ整理などの下準備を行う業務ではないかと思われます。

 これまでに研究レベルでは、土木分野におけるAIの活用事例が多数報告されました。これに伴い、来年度も人工知能を活用する業務は多く出てくるのではないかと考えられます。

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.