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シリーズコラム 「社会を支える人工知能」 |
【第21回】:WindowsのCopilotを使った建設工事事故データベースの分析
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今回はWindowsのCopilotを使って、建設工事事故データベース[1]を分析してみたいと思います。Copilotには無料版と有料版がありますが、ここではWebブラウザのEdgeから利用できる無料版のCopilotを使ってみます。EdgeでCopilotを利用する方法は、「【第17回】話題のchatGPTを利用してみよう!」をご覧ください。
建設工事事故データベース(エクセル)のファイルサイズは約527KBなのですが、残念なことに、無料版のCopilotではこのサイズを扱うことができませんでした。そこで、工事分野が「砂防・地滑り」以外の行を削除して、53KBまでファイルサイズを小さくしました。つまり、今回の分析対象は「砂防・地滑り」となります。
それでは、ファイルサイズを小さくしたエクセルをCopilotにアップロードしましょう。EdgeのCopilot画面にある「+」をクリックして、「アップロード」をクリックします(図1)。そして、エクセルファイルを指定すると、図2のようになります。「メッセージの追加」に、どのように分析したいのかを入力します。ここでは、「このエクセルの内容を要約してください。」と指示しました(図3)。
図1 Copilotへのアップロード方法
図2 ファイルサイズを縮小した建設工事事故データベースのアップロード
図3 Copilotへの指示(要約)
図4が、要約に対する回答です。要点を箇条書きにしてくれているので、非常に分かりやすいです。事故の要因は操作ミスや注意不足など多岐に渡ることが見て取れます。事故後の対策も、同様に、多岐にわたっています。
図4 要約に対するCopilotの回答
続いて、要因を深掘りするために、「事故の種類別に、事故の要因とまとめてください。」と指示してみました。なんと、図5のように、事故分類毎に表形式でまとめてくれました。事故分類の要因を見てみると、いくらかは些細な不注意やミスが事故に結びついていることが分かります。この要因だけでも、業務において注意すべき点が明確になってきます。
図5 事故種別ごとの要因に対する回答
ちなみに、Copilotの回答に含まれる表は、表形式を維持したままエクセルに貼り付けることができます
(図6)。これはとても効率化できそうですね。
図6 Copilotの表を選択・コピーして、エクセルにペースト
今回は、Copilotの使い方を織り交ぜながら、Copilotで建設工事事故データベースを分析してみました。無料版のCopilotだけでも、内容のザっとした把握やまとめ作業ができました。
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