GIS最新技術を使って被災地(被災前、被災後)を視ることができます。独立行政法人防災科学技術研究所では、平成23年東北地方太平洋沖地震に関する
「だいち(ALOS)」衛星画像を、緊急WMS配信
暫定ページとして公開しています。「だいち(ALOS)」衛星画像をJAXAより提供されたものです。
なお、この配信は地震災害対応への貢献を最優先に、現在行われているプロジェクトとしての研究開発業務の一環として実施するものであり、配信の期間や今後の継続性については現在検討中ということです。
http://map02.ecom-plat.jp/map/map/?cid=5&gid=19&mid=111
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独立行政法人防災科学技術研究所は、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施する「陸域観測技術衛星『だいち』(ALOS)」の防災利用に向けた「パイロット実証」に参加しており、その実証実験の一環として、JAXA人工衛星「ALOS(だいち)」が緊急観測を実施した被災地の衛星画像の提供を受けました。この衛星画像は、各方面での災害対応に貢献できる可能性があることから、地理空間情報の国際標準の流通方式の一つであるWMS(ISO-19128)に基づき、当研究所が開発した「相互運用gサーバー」により緊急配信を開始いたしました。
WMSは、Web Map Serviceの略で、Google
Earthや当研究所が開発したeコミマップなど、国際標準に準拠した地理空間情報閲覧ソフトウェアにて重ねて表示することができる方式です。
独立行政法人防災科学技術研究所HPより |
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またGoogleの震災前と震災後の衛星写真比較ページ(マウスオーバーで比較できます。)も見やすくなっています。
http://www.abc.net.au/news/events/japan-quake-2011/beforeafter.htm
東日本震災自動車・通行実績情報マップも役立ちます。
http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011_traffic.html
報道などで今回の地震は、余震の規模が大きく、数も極めて多いと言われています。東日本のほぼ全域で強い余震が相次いでいる現象について、気象庁は「これだけ同時に多発したことはない」と明言しています。専門家は、国内史上最大の地震が内陸のひずみを変え、地震を誘発した可能性を指摘し、他の地域でも警戒が必要と訴えています。いさぼう
ネットとしてその詳細に迫ってみます。
今回の地震が発生して以来、余震位置は東北太平洋側で、徐々に南下してきています。いさぼうネットでは地震発生からの余震を地域・発生時刻別(宮城三陸沖、茨城福島沖、千葉東京沖、宮城内部)にプロットしてみました(5月12日8時段階)
※気象庁は「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震については震度3以上を観測した地震のみ地震情報を発表していましたが、4月27日09時より震度1以上を観測した地震の情報を発表しており、4/27から多発しているように見えます。
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今回の地震は、3月9日11時45分三陸沖でM7.2の地震が発生したことから始まりました。その後約2日間、M4.5〜6.5の地震がほぼ三陸沖に集中して発生していました。
ところが一旦11日7:45の地震を最後に約7時間地震が途絶えます。そして11日14時46分、M9.0の超巨大地震が発生したのです。
この本震とともに余震域は宮城沖、福島沖、茨城沖と一気に広がり、数的には三陸沖は時間とともに減少傾向にありま
したが、4月7日にM7クラスの余震がありました。そしてその後4月11日に入ると余震の数(特に福島沖、茨城沖、千葉沖、東京沖)が急激に増え、本震発生当初のような状態になっています。 |
千葉、東京沖までは北米プレート内に位置すること、本震では千葉、東京沖では今回はまだ大きな破壊が起こっていないこと、過去には直下型の地震が起こっていること、などから今後ともかなりの注意が必要と思われます。
一方上記のように、今回は北米プレート内、あるいは周縁部の、秋田沖、新潟長野、静岡山梨でも地震が発生しています。
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12日3時59分新潟県中越地方でM6.6の地震があり、直下型ということもあり、震度6強を観測しました。 この地震でも数多くの余震が発生しており、そのマグニチュードは2〜4.5で時間がたつにつれ余震数は減ってきているように見え
ていましたが、やはり4/11を境に再び活発となっています。
直下型であることから、マグニチュードが小さく、数は減ってきたからと言って要注意であることは言うまでもありません。
一方秋田県沖でも12日4時47分にM6.4の地震が発生しました。この地震の余震の数は減ってきています。
また15日22時31分静岡東部でM6.0の地震があり、直下型のため震度6強を観測しました。ここも古くからの地震の発生域でありますが、余震
は減ってきています。 |
また、全国の地震発生状況を見ていると、上記の北米プレート内の地震以外にも地震発生が活発化していました。
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北陸では本震以来小規模ですが地震が発生しています。地域的には岐阜県飛騨地方です。
数は減ってきています。 また伊豆沖付近でも本震以来小規模ですが地震が発生していましたが、終息しつつあります。
気象庁は関連はないと言っていますが、規模は今回以上といわれる2004年12月に発生したスマトラ島沖地震(M9.3)では、2か月後にフィリピン付近のセレベス海でM7.1、3か月後にニアス島北部でM8.6(スマトラ島沖地震(2005年))、
続き1年後にスラウェシ島南東部でM7.3
の地震が発生するなど周辺の地域で大きな地震が多発しています。まだまだ注意が必要です。
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国際的に権威ある地震研究のセンターであるスイス地震局が、3月17日付けで、東日本大地震・大津波についての速報的な分析を発表しま
した。
同局はその中で、今後、環太平洋地域で起きるかもしれない地震について、「地震の予測は依然として不可能だが、過去に大地震があってその後起きていない地震空白域(コスタリカ、南海、ペルー、カリフォルニア、アリューシャン、カスカディア)あるいは直近の大地震が誘因となって地震が起きたところ(2004年アンダマン海の後の南東スマトラ、ビルマ、アッサムや2011年東北の後の東海)などの重要ホットスポットが注目される」と述べています。
空白域として出てくる地名を米地質調査所や理科年表の世界地震一覧などによって補うと、コスタリカ=2007年(M7.9)、南海=1944年(M8.1)、ペルー=1868年(M9.0)、カリフォルニア=1906年(サンフランシスコ、M7.8)、アリューシャン=1946年(ウニマク島、
M8.1)、カスカディア=1700年(M9.0)などを指すものと見られます。また地図上で赤丸(M9.0〜9.5)や大きい黒丸(M8.5〜8.9)が付いているが文中に言及していないところを拾うと、チリ=1960年(M9.5)、アラスカ=1964年(M9.2)、カムチャツカ=1952年(M9.0)、スマトラ=1833年(M8.9)などである。
スイス地震局はさらに「余震及び誘発地震の危険」と題して左図を掲げ、次のように指摘しています。
▼余震は今後とも続き、たぶんM8以上になるが、更なる被害は予想されない。
▼3月11日の新潟地震(M6.6。図ではM6.2,
5.5となっている)と、同15日の静岡地震(6.2)を含め、他あちらこちらでの内陸の活断層が活発化している。
▼東海及び南海の震源域はまだ動いていないが、これが最大M7.9〜8.2を伴い、かつ東京地方の近くで起こりうる最大の危険である(左図の水色四角形)。
いさぼうネットでは、余震の位置や規模を注視していますが、上記のスイス地震局の指摘には納得するところが大きいのです。
東京、千葉沖及びその内陸部で未だ大きな応力解放がされていないこと、この領域での余震の規模が徐々に大きくなっていることからM6〜7の地震、特に直下型の発生が心配されます。
左下図は今回の地震での変位であるが、極めて衝撃的です。地震による断層のずれは最大18mで、本州北部は地震と同時に東に向かって最大5m、地震後にさらに0.5m動き、それによって地軸が最大10cm移動したとされています。
これだけ大きかった今回の地震の余波は、余震のみならず、火山活動にも影響を及ぼすのかもしれません。
○スイス地震局
http://www.seismo.ethz.ch/index_EN
※関連情報:3D余震マップへの挑戦
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「余震及び誘発地震の危険」
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津波は、巨大地震の上下方向の断層運動によって引き起こされます。しかし最近断層運動の他にも、海底地すべりによる津波の発生の可能性が注目されてきました。
津波はその発生要因と頻度として、海底地震性の津波が9割を占めるのに対し、地すべり性の原因は全体で0.3割と言われています。比率的には低くなってはいますが、発生した津波の大きさが局所的に大きくなることで大きな被害をもたらしています。また海底に沿って泥を含んだ密度の高い水が流れて、乱泥流(混濁流)に転化することも多くなります。
詳しくは「地すべりと津波」で |
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以前、いさぼうネットで掲載した「皆既日食と災害に因果関係はあるか
(「通達、業界ニュース」 2009/07/23)」で、重力異常と地震などの大災害に因果関係がある、という考え方があるということを紹介しました。月と太陽が一直線に並ぶことによっての異常です。
2008年8月1日ロシア、モンゴル、中国であった皆既日食の時、中国では2008年3月にチベット自治区の問題が、そして5月12日には四川省にてM7.9の地震が発生しています。
そして2009年7月22日にインド、中国、日本・トカラ列島、種子島、屋久島、奄美大島で皆既日食が起こった時には、9月30日に2つの巨大地震が発生しました。
一方今回の大災害についても、これと似たような状況にあります。
3月19日には、19年ぶりに月が地球に最接近するのです。その距離は約35万6577キロメートル。1992年以来の最短距離です。このような月の接近は『スーパームーン(supermoon)』と呼ばれており、世界のアマチュア科学者たちの間では、「地震や火山活動を引き起こす恐れあり」と話題になっているらしいのです。最大規模の接近は19年ぶりですが、一般的なスーパームーン現象は1955年、1974年、1992年、そして2005年に起きたとされています。
2004年12月に発生したスマトラ島沖地震(M9.3)は、2005年1月に観測されたスーパームーンの2週間前に発生しています。今回と非常に類似するところがあるのです。
スーパームーンと大地震の因果関係があるか否かはさておき、M 9.3という史上最大級の地震であった
スマトラ島沖地震。
そのけた外れの地震の後、確かに起こったことがあります。
●2005年2月5日にフィリピン付近のセレベス海で M
7.1、同年3月28日にニアス島北部で M
8.6(スマトラ島沖地震(2005年))、2007年1月21日にスラウェシ島南東部で M
7.3 の地震が発生するなど周辺の地域で大きな地震が多発した。 |
●M 9.3
の地震の発生から約3ヵ月半後の2005年3月12日にスマトラ島西部のタラン山が噴火、また翌3月13日にはジャワ島西部のタンクバンプラフ山が噴火するなど近隣に存在する火山の活動が活発となった。 |
今回の東日本大震災もこれで終わりでない可能性もあるのです。
そういえば少し前まで、霧島山(新燃岳)の火山活動が話題の中心でした。”考えすぎ”であるかもしれませんが、防災についての注意と備えは準備しておくことに間違いはありません。 |
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2004年12月に発生したスマトラ島沖地震(M9.3)は、死者・行方不明者は合計で23万人とも言われています。被害はほとんどが津波によるものでした。今回その復興状況に着目し、学べるものがないか見てみました。
●廃材リサイクル住宅が並ぶ海岸、インド・チェンナイ
プーケットなどの観光産業地域は以前の半分の規模ではあるが徐々に観光客が戻りつつあり、津波の避難訓練などを行っている。
観光客が廃棄した空き瓶やペットボトル、使い古したタイヤなどを利用し、建設費用を極力抑えた廃材リサイクル住宅が被災地における復興の要として期待されている。
→今回の津波の被災地にも膨大な廃材、自動車、船などがあります。これを利用できる術が不可欠です。 |
●アメリカ政府は原子力空母「エイブラハム・リンカーン」をはじめ艦艇約20隻、航空機約60機など、総勢12,600人の米軍が各地で救援活動を行った。
→今回は原子力空母「ロナルド・レーガン」をはじめアメリカ第7艦隊が駆け付けてくれています。感謝です。 |
●国際連合は全世界に強力な支援を要請しており、1月2日までに日本を含む約40か国や世界銀行などから計20億ドル(約2050億円)の支援を発表した。 |
●この津波により2005年8月15日にヘルシンキにおいて自由アチェ運動とインドネシア政府の間に和平協定が結ばれ、反政府軍の兵士が一般市民へと戻りアチェ復興を目指した。
→軍事的な衝突とは異なりますが、現在の政局優先で動く政治、よい方向に変化していくことが不可欠です。 |
●各国で世界中から集まったボランティアが活動しており、被災者へのカウンセリングなども行った。
→国内の各県からは既に専門チームが多数派遣されているようです。 |
●この津波によって発生した大量の腐乱遺体によりペストなどの伝染病流行が懸念されたが、現地での早急な身元確認を行わないままの土葬処分や火葬など関係者の努力により、伝染病流行での大量死は2007年1月時点、発生は報告されていない。
→一部の地域では始まっていると報道されていますが、政府はきちんと説明し、行動指示を出すことが望まれます。 |
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今回の東京電力福島第一原子力発電所の問題では、東京電力の対応の悪さや作業員の単純ミスを取沙汰している報道や解説なども多く見受けられます。
しかし、現場に直接携わっている技術者は、必死に、それこそ命がけで、トラブルを解決させるために頑張っているはずです。
そのような中で下記報道のようなことがあるとすれば、住民だけでなく、最前線で対応している技術者にとってやりきれない思い以外ありません。
規模やシチュエーションこそ異なりますが、他の災害復旧業務などでも同様のことが起こります。”安全”、”復興”、”復旧”に向け
、関係者一丸で同一目標に向かい頑張る。当たり前のことで、それができない方が指揮をとることは悲しいことです。
菅政権の政治主導演出へのこだわり、混乱を増幅 |
緊急災害対策会議であいさつする菅首相 未曽有の大惨事となった東日本巨大地震をめぐり、菅政権の無策ぶりが次々と明らかになっている。
放射能漏れや計画停電など、国民の安全に直結する問題では対策が遅れ、情報発信も不十分なため、国民の間には混乱と不安が広がる一方だ。
菅首相が今なすべきことは、一刻も早く被災地復興に向けた全体計画を打ち出し、官民一体でこの国難を乗り越えるための強い指導力を発揮することだ、との指摘が政財界の各所から出ている。 |
◆どなる首相◆
首相官邸の危機対応のほころびは、地震から一夜明けた12日午後、福島第一原子力発電所1号機で起きた水素爆発であらわになった。
放射能漏れの可能性があり、国民への一刻も早い周知が求められたにもかかわらず、菅首相は東京電力の技術者を官邸に呼びつけると、どなりちらしたという。
「これから記者会見なのに、これじゃあ説明出来ないじゃないか!」
テレビは、骨組みだけになった1号機の建屋から煙が勢いよく噴き出す生々しい光景を映し出していた。爆発が起きたことは明らかだった。だが、東電の説明に納得がいかない首相は、爆発直後の午後4時に設定していた記者会見の延期を宣言。自らの言葉での説明にこだわる首相への遠慮からか、午後5時45分から記者会見した枝野官房長官は「何らかの爆発的事象があった」と述べるだけで詳しい説明は避け、「首相ご自身が専門家の話を聞きながら(対応を)やっている」と語った。
結局、首相が記者団の前に姿を現したのは、爆発から約5時間がたった午後8時半。「20キロメートル圏の皆さんに退避をお願いする」と述べたが、こうした指示はすでに首相官邸ホームページなどで公表済みだった。
「首相が東電の技術者をことあるごとに官邸に呼びつけてどなるので、現場対応の邪魔になっている」。政府関係者は嘆いた。首相は避難所視察も希望したが、「迷惑をかける。時期尚早だ」と枝野長官が止めた。 |
◆政治ショー◆
首都圏の計画停電への対応でも、首相をはじめ、政権の「政治主導」演出へのこだわりが混乱を拡大させた側面は否めない。
計画停電の実施は当初、13日午後6時半から東電の清水正孝社長が発表する予定だったが延期された。「まず首相が国民に直接呼びかけたい」との首相周辺の意向が伝えられたからだ。
13日夜、首相官邸の記者会見室では、首相が「国民に不便をかける苦渋の決断」と計画停電の実施を発表したのに続き、枝野長官、海江田経済産業相、蓮舫節電啓発相が次々と登壇し、国民に節電を訴えた。しかし、記者団から停電開始の時間を問われると、蓮舫氏は、陪席していた東京電力幹部に向かって「答えられます?」と回答を促した。
こうした「政治ショー」が終わるのを待って東電が行った発表は結局、午後8時20分開始となり、スーパーや鉄道各社など多くの関係者は、対応に十分な時間がとれなくなった。 |
◆一夜で決行◆
今回の大地震対応では、第1次石油危機時の1974年1月半ばから2月末まで実施した大口利用者の電力カット15%をはるかに上回る25%カットをめざしている。電力会社だけでなく、鉄道や病院関係など、官民の枠を超えた複雑な調整が必要だったにもかかわらず、政府内では精緻な議論もなく、停電は、決定からわずか一夜で決行された。
こうした中、政府が本格的な復興計画作りに着手した形跡はない。
政府は14日の持ち回り閣議で、被災地向け食料などの支援に2010年度予備費から302億円を支出することを決めた。だが、1995年の阪神大震災で組んだ補正予算は総額約3・2兆円。与党内では「今回は、どう見ても阪神大震災の2倍はかかる。10兆円でも足りるかどうか」(民主党幹部)との指摘が出ている。抜本的な復興戦略と財源対策が早急に必要になる。
復興財源をめぐっては、民主党の岡田幹事長が14日、11年度予算案を成立させた後、減額補正で捻出することもあり得るとの考えを示した。政府・与党内には、自民党の谷垣総裁が示した増税論にも理解を示す声が出ている。 |
2011年3月15日02時49分 読売新聞 |
最終更新日:2011/06/16
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