
本年1月1日に発生した令和6年能登半島地震から10か月、300日が経過しようとしています。
9月21日、奥能登地域は線状降水帯の発生により、観測記録最大の大雨に見舞われました。1月1日に発生した能登半島地震の震源断層に近く、能登半島の中でも地震被害の大きい外浦側(能登半島北側海岸)で、短時間に多量の雨が降ったことで、土石流やがけ崩れ、中小河川の氾濫が多数発生しました。
今回、令和6年奥能登豪雨について、各機関の情報を紹介するとともに、災害の特徴を整理しました。また、能登半島の地震後の現状を写真を中心にお伝けするシリーズ ―写真で巡る能登半島のいま― 第2弾として豪雨被害が大きかった輪島市の様子をお届けします。
令和6年奥能登豪雨から約1か月が経過し、被害の全体像が明らかとなってきました。各機関の情報を紹介するとともに、今回の大雨災害の特徴を整理しました。
●「災害発生から1か月の取組(全体版)」【北陸地方整備局】
北陸地方整備局は、令和6年奥能登豪雨の被害の全体像と応急対応について、大雨から1か月の取組としてまとめています。
9月21日の大雨の特徴として、@地震被害が大きい地域と線状降水帯による降水量が大きい地域が概ね一致したこと、A観測記録最大の1時間降水量および24時間降水量であったことの2つが挙げられます。地震による河川護岸や斜面、インフラの復旧が十分進んでいない状態で、観測記録最大の雨を受けたことによる複合災害が生じました。
被害の特徴として、@中小河川の氾濫・浸水被害、A斜面崩壊・土石流の多発、B道路被災による孤立集落の発生、C電力、通信、上下水道の被災が挙げられます。
特に断水については、大雨から1か月以上たった今でも、輪島市で449戸(10/22現在)、珠洲市で414戸(10/16現在)と、非常に厳しい状況が続いています。
・災害発生から1か月の取組【全体版】 (国土交通省 北陸地方整備局)
●令和6年能登半島地震と9月20 日からの大雨に係る災害査定の一体的運用【国土交通省】
国土交通省は9月の奥能登豪雨を踏まえ、令和6年能登半島地震と9月20日からの大雨に係る災害査定の一体的運用の方針を10月11日に発表しました。設計図書の簡素化のほか、書面査定の対象及び現地で決定できる対象の拡大により、査定に要する時間や人員を大幅に縮減し、迅速な災害復旧を支援するとのことです。
国土地理院では、9月23日、9月24日に航空写真を撮影し、撮影翌日には正射画像(速報)、斜面崩壊・土石流・堆積分布データを迅速に公開しました。斜面崩壊・土石流・堆積分布データは、空中写真(正射画像)を用いて、令和6年9月20日からの大雨によって生じたと考えられる斜面崩壊地、土石流範囲及び堆積箇所を判読したものです。災害発生状況の初動確認に大いに役立ちました。
・令和6年(2024年)9月20日からの大雨に関する情報 (国土地理院)
国土地理院のデータをもとに、地震と大雨の土砂災害状況を比較してみました。1月1日の地震による斜面崩壊・堆積分布データを赤色、9月21日の大雨による斜面崩壊・土石流・堆積分布データを青色で示しました。背景図は、令和6年9月20日からの大雨 正射画像(速報)(2024年9月23日撮影)(2024年9月24日撮影)を用いてます。(いずれもデータ出典は国土地理院、QGISにより編集部作成)
今回の大雨で広範囲に土砂災害が発生していること、また地震では崩壊等の被害がなかった斜面が新たに被災したことが分かります。地震時に崩壊までは至らない亀裂や緩みが生じていた箇所が、9月大雨で崩壊し、土石流被害を拡大させた可能性があることが、専門家より指摘されています。今後の詳細調査が待たれます。
石川県では「令和6年(2024年)奥能登豪雨に関する情報」のページを設け情報を集約しています。
被害情報に関しては、「大雨災害による能登半島地震被害状況」のページに各市町ごとの被災状況が、写真と動画で公開されています。
・令和6年(2024年)奥能登豪雨に関する情報 (石川県)
・大雨災害による能登半島被害状況 (石川県)
いさぼうネット編集部では、能登半島の現在の姿を、全国の読者の皆様に少しでもお届けできれば・・・との思いから、―写真で巡る能登半島のいま−と題し、レポートします。第2弾は輪島市です。9月21日の令和6年奥能登豪雨で被害の大きかった、河原田川(かわらだがわ)、鳳至川(ふげしがわ)、町野川(まちのがわ)流域を、行方不明者の捜索が概ね落ち着いた、10月9日(大雨から18日後)に周りました。
河原田川河口より3.0km付近 左岸を望む
河原田川の増水により落橋した市道橋。
河原田川河口より1.0km付近 上流を望む
9/21の豪雨時には、河原田川の越水により、輪島市役所(写真中央の白い建築物)の駐車場が冠水した。河道および低水敷に大量に堆積した流木は、次の雨に備え撤去が完了していた。
被災した家屋の解体・撤去は、まだ一部しか進んでいない。写真奥が、1月1日の大規模火災で焼失したエリア。
(地震前の様子)
1月1日の大規模火災エリアではがれきの撤去が進められている。過去の街並みの面影はない。(地震前の様子)
9月豪雨で生じた土砂崩れ箇所。写真左側の地山が崩壊し市道を埋めた。大型土のうによる応急復旧がなされている。鳳至川沿いでは、9月豪雨に伴い、多数の土砂崩れ、土石流が発生した。
河原田川合流点より1.8km付近 下流を望む
落橋した市道橋。狭幅員の人道橋で、落橋した桁や下部工に引っかかった流木が散乱している。
河原田川合流点より3.8km付近 上流を望む
鳳至川の越水により、見渡す限りの水田には土砂が堆積する。収穫前の水田もあり、言葉を失う。
塚田川河口より1.3km付近 上流を望む
写真上の道路の右側に数軒の家屋が連たんしていたが、基礎のみを残し、押し流されている。地形も風景も、一変している。(豪雨前の様子)
塚田川河口より1.1km付近 下流を望む。
塚田川は、国土交通省による権限代行で応急復旧工事を進めることが10月11日に報道発表された。
塚田川河口より0.8km付近 下流を望む
流木、がれきの撤去、大型土のうによる応急護岸復旧が進められている。
塚田川河口より0.5km付近 写真上-上流、写真下-下流を望む
護岸天端より1〜2m程、冠水痕跡があり、護岸崩壊も生じている。
1月1日に地震により地すべりが生じた稲舟地区。地震時に崩壊した末端部が、9月豪雨で崩壊が拡大し、土砂が国道249号まで流出した。道路啓開が進められ、国道249号の土砂は撤去されている。まだ、コンビニ駐車場は土砂で埋まっている。
(豪雨前の様子)
地すべり地である白米千枚田。【写真上】中央部の色の異なる棚田が、今年なんとか耕作できた水田。【写真下】棚田上方の地すべり滑落崖では表層崩壊、土砂流出も生じている。
町野川河口より3.8km付近 上流を望む
6径間の人道橋。河道中央のパイルベント橋脚が流され、上部桁が落橋している。写真左から合流するのが二級河川鈴屋川。
町野川合流点より0.8km付近 写真上-上流側、写真下-下流側を望む
【写真上】右側(左岸側)では、護岸天端に平行した市道が護岸もろとも崩壊している。【写真下】震災後応急復旧した大型土のうが流亡し、崩壊が進行、どこが護岸かわからない有り様。(豪雨前の様子)
町野川合流点より1.0km付近 上流側を望む
鈴屋川は、国土交通省による権限代行で応急復旧工事を進めることが10月11日に報道発表された。
【写真上】9月豪雨では、写真右側の斜面から土石流が流下し、県道に土砂が流出、一時、通行止めとなった。【写真下】土砂と流木により電信柱が折れているのが確認できる。(豪雨前の様子)
震災時に崩壊した道路斜面が、9月豪雨で崩壊が一部拡大。応急工事が進められている。(豪雨前の様子)
町野川の氾濫により冠水。収穫前の稲は倒れ、流木が散乱する。
●5.「令和6年能登半島地震から半年」 [2024.07.04公開]
●4.「令和6年能登半島地震から100日」 [2024.04.11公開]
●3.「令和6年能登半島地震から70日」 [2024.03.14公開]
●2.「令和6年能登半島地震から30日」 [2024.02.08公開]
●1.「令和6年能登半島地震から10日」 [2024.01.11公開]
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