今年も1年を振り返る時期が来ました。 災害関連では、台風17号などの影響で9月9〜11日の約3日間、関東、東北で発生した豪雨により、茨城、栃木、宮城の3県などで大きな被害が出ました。 中でも、茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊、40平方km²にわたって浸水しました。 本災害では市内で浸水したのは、市が想定した浸水域とほぼ想定通りでしたが、その一方で水害を想定した訓練は行っていないことや、自治体間の連絡不足も指摘されました。 これに伴い国土交通省などは12月、茨城県内の鬼怒川の堤防整備と、広域避難の仕組み作りなど緊急事業を実施することを発表しました。

　また10月には、横浜市都筑区の大型マンションが傾いているのが見つかり、杭の打ち込み不足や工事データ流用があったことが判明しました。 これに関連して全国の基礎杭が検証されることとなり、我々土木業界でも非常に重大な問題として捉えられました。

　一方世界に目を向けると、ネパール中部で4月25日、マグニチュード（Ｍ）7.8の巨大地震がありました。 犠牲者はネパールだけで約8900人にものぼり、非常事態が宣言されました。 ネパールにはもろいレンガ造りの建物が多く、約60万棟が全壊、約30万棟が一部損壊し、被害をひろげました。

　いさぼうネットでは1年間土木に関するニュースや話題を紹介してきました。 その中でアクセスが多かったのは以下の通りです。

1位　維持管理系のガイドラインが次々に公開
2位　マンション建設に関する国交省の通達
3位　公共工事設計労務単価が発表されました
4位　「"ドローン"入門編　−今更聞けない！ドローンのキホン−」
5位　コンピュータの進化とそのスピード
6位　水防法が変わる！計画基本降雨から最大規模の降雨へ
7位　国土交通省が提供するハザードマップに大規模盛土造成を掲載
　　　H28年度から浸水想定区域等の一部をオープンデータ化　（国土交通省）
8位　『 歴史的大規模土砂災害地点を歩く 』
9位　「改正航空法による新たな飛行ルール」
10位　スーパーコンピュータの進化、そして、まさかの進化事例

　時代のキーワードである、維持管理やドローンなどの文字が並びます。

　ここ数日、今後の影響が大いに気になるニュースが報道されています。 12月20日に発生した中国・広東省で発生した大規模な土砂崩れや12月23日に発生した千葉県君津市広岡の国道410号のトンネルの天井部分のモルタルのはがれ落ちです。 特に後者は、最近補修した箇所の剥がれ落ちということです。 種々の補修工法やノウハウについての整理が、点検補修の流れに追いついていないのは技術者が皆感じていることであり、今後大きな流れに繋がりそうです。

　これらの情報の動静を含め、また来年も新しい情報を検証して伝えていきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

　1年間いさぼうネットをご愛顧していただき誠にありがとうございました。穏やかな年末年始をお迎えください。

いさぼうネット編集長