2011年は、計47回の「いさぼう技術ニュース」 メールを配信しました。 今年は3.11東日本大震災に象徴されるように”災害”一色の年でした。

　先ず、今年の年頭は桜島の噴火について多く報道されました。３月以降は東日本大震災が大きく報道されたため、報道の表舞台に登場することは少なくなりましたが、噴火活動は依然と活発に続いており12月7日には、今年に入って896回目の爆発的噴火（爆発）を観測し、年間の最多爆発回数に並び、噴火警戒レベルも「３（入山規制）」のままです。

　そして3月11日14時46分18秒、宮城県牡鹿半島の東南東沖130kmの海底を震源として、東北地方太平洋沖地震が発生し、日本における観測史上最大の規模、マグニチュード 9.0を記録しました。震源域は岩手県沖から茨城県沖までの南北約500km、東西約200kmの広範囲に及びました。この地震により、場所によっては波高10m以上、最大遡上高40.5mにも上る大津波が発生し、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらしました。

　日本史上最も大きな自然災害と言ってよい、「東日本大震災」の被害は、12月時点で、震災による死者・行方不明者は約2万人、建築物の全壊・半壊は合わせて35万戸以上、ピーク時の避難者は40万人以上、停電世帯は800万戸以上、断水世帯は180万戸以上に上りました。政府は震災による被害額を16兆から25兆円と試算しています。

　また地震と津波による被害を受けた東京電力福島第一原子力発電所では、全電源を喪失して原子炉を冷却できなくなり、大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故に発展しました。これにより、原発のある浜通り地域を中心に、周辺一帯の福島県住民は長期の避難を強いられています。その他に火力発電所等でも損害が出たため、東北と関東は深刻な電力不足に陥りました。これを機に議論が進んでいる自然エネルギー開発は、土木の技術者にも影響を与えそうです。

　次に7月26日から7月30日にかけての集中豪雨で、新潟県では河川の堤防が決壊するなど大きな洪水被害をもたらしました。「平成23年7月新潟・福島豪雨」と呼称され主に河川護岸が広範囲で被災しました。

　8月から9月にかけて来襲した台風12号は、中心気圧965hPa、最大瞬間風速35m/s と、大型で非常に強い勢力で、ゆっくりと四国から中国地方を横断し、雨量は紀伊半島を中心に1000mmを超えました。奈良県上北山村では、1808.5mmに達するなど記録的な豪雨となり、和歌山県、奈良県、三重県などにおいて、多くの土砂災害、浸水、河川のはん濫が発生しました。また多くの土砂崩れダムが形成されました。

　このような災害多発の中で、いさぼうネットでは、技術者の方があえて自分で情報を集めなくてもいいように 、伝えて価値のある話題をチョイスした情報を伝えてきたつもりでしたが、中には十分な検討もないまま、影の薄い情報もあったかと思います。 内容の良かったもの悪かったもの、 色々あると思いますが、その結果はアクセス数として現れます。必要な情報を伝えるというのは本当に難しいものだと痛感しています。

　いさぼうネットでは毎年、その年の「いさぼう技術ニュース」のアクセス集計を各テーマ別に行い、アクセス数が多かったテーマを紹介しています。名付けて、「いさぼう１０大技術ニュース」 。

　どんなテーマに注目が集まったか確認するとともに、もう一度情報を見直してみませんか？ 今年は結果的には東日本大震災関連の情報がアクセス上位を占めました。

　アクセス傾向は、それがそのまま会員の皆様の注目度と考えて、来年度の参考としていきたいと思います。

　皆様、本年も「いさぼう技術ニュース」をご愛読いただき、どうもありがとうございました。
また来年もお付き合いくださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

いさぼうネット編集長